第2章 地域別に見た外交


第5節 ロシア、中央アジアとコーカサス


【総  論】

 ロシアでは、政権2期目のプーチン大統領が、好調な経済等を背景に、安定した政権基盤を維持している。外交においては、欧米諸国との協調関係の維持、独立国家共同体(CIS)諸国に対する影響力の強化に向けた動き、アジア太平洋地域重視の姿勢が見られた。

 2005年は日露修好150周年を迎えた。11月のプーチン大統領訪日時に行われた日露首脳会談で、平和条約問題について両国が共に受け入れられる解決を見いだすよう努力することで一致したほか、テロやエネルギー等の分野における12の文書に署名するなど、「日露行動計画」に基づき幅広い分野で両国の協力を一層強化していくことが合意された。



▲ 「テロリズムとの闘いにおける協力の分野における行動プログラム」に署名する小泉総理大臣とプーチン・ロシア大統領(11月21日、総理大臣官邸 写真提供:内閣広報室)


  独立から14年が経過した中央アジア・コーカサス諸国 (注1) は、豊富なエネルギー資源をてこに経済成長を続ける国と、資源を持たない国との間の経済格差が拡大する中、各国の政治・経済面における多様化が進行している。日本は、これら諸国の安定と発展は東アジアを含むユーラシア全体の安定にとって極めて重要であるとの観点から、民主化、市場経済化に基づく国づくりを積極的に支援してきている。特に中央アジアについては、2004年8月に立ち上げた「中央アジア+日本」対話の枠組みを通じた同地域全体との対話と協力にも取り組んでいる。




<< 前の項目に戻る 次の項目に進む >>