第2章 地域別に見た外交 |
(4)NATO及びその他の地域機関
(イ)NATO NATOは、2003年8月に非5条任務 (注9) における欧州域外での初めての活動として、アフガニスタンにおける国際治安支援部隊(ISAF)の総指揮権を公式に継承した。以後、NATOは同国の治安維持を最優先事項として活発に活動し、活動地域の西部及び南部への拡大に取り組んでいる。 2月のNATO首脳会合では、イラク暫定政府から要請があったイラク治安部隊への訓練支援の継続やコソボにおける政治的プロセスへの貢献等を確認した。 4月に、デ・ホープ・スケッフェルNATO事務総長が訪日し、小泉総理大臣、町村外務大臣等と会談、日・NATO関係強化の重要性について意見が一致した。12月には、塩崎恭久外務副大臣がNATOを訪れ、デ・ホープ・スケッフェル事務総長と会談、日・NATO関係強化等について意見交換した。 (ロ)その他の地域機関 欧州では、EU、NATO以外にも、安全保障分野で欧州安全保障協力機構(OSCE) (注10) 、人権や法の支配等の分野で欧州評議会(CE) (注11) といった地域機関が活発に活動している。 OSCEとの関係では、日本は「協力のためのパートナー」として、各種協議への参加をはじめ、コソボ等の各種ミッションへの要員の派遣、東欧・中央アジア諸国への選挙監視団の派遣といった人的貢献や、選挙関連経費の負担等の資金面で貢献しており、2005年はキルギス、モルドバ、カザフスタン等のOSCE選挙監視団に要員を派遣した。4月には、「新たな安全保障上の脅威と新たな安全保障のパラダイム」をテーマに韓国で開かれた韓・OSCE共催会議に、日本も参加した。12月には、スロベニアで開催された外相理事会に塩崎外務副大臣が出席し、日本とOSCEの協力の重要性を訴え、欧州・アジア相互の安全保障環境についての共通認識醸成の必要性や共通の関心地域である中央アジア、西バルカン、アフガニスタン等への日本の関心・貢献に言及した。 CEとの関係では、日本は閣僚委員会におけるアジアで唯一のオブザーバー国として、人権、法務、文化等の様々な分野の会合に参加しているほか、CEが派遣する選挙監視団に要員を派遣している(2004年10月のコソボ議会選挙等)。2005年5月にポーランドのワルシャワで開催された欧州評議会第3回首脳会議では、日本は、小泉総理大臣によるメッセージの中で、人権、民主主義、法の支配の促進やサイバー犯罪、異文化対話等の分野におけるCEの活動を評価し、CEとの協力を一層緊密にしていくと表明した。 ▼欧州の主要枠組み
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