第2章 地域別に見た外交


5.大 洋 州

【総  論】

 太平洋を挟んで日本と接する大洋州地域には、先進2か国(オーストラリア、ニュージーランド)と太平洋島嶼国・地域(パプアニューギニア、フィジーなど12か国ほか)が含まれる。

 オーストラリア、ニュージーランドは、日本にとって、人権、民主主義、市場経済といった基本的価値観を共有する重要な国々である。

 太平洋島嶼国は、戦前からの歴史的関係や人的交流を通じ親日的な国が多く、国際社会の諸課題に取り組む上でも日本と考え方を共有しているところが多い。また、水産資源の重要な供給地であるほか、日本の輸入資源の海上輸送路でもある。これら島嶼国は、国土・人口が小さく、島が広大な海域に点在していることなどから、経済発展に不利な状況にあり、政治的不安定や統治上の問題に直面している国も多い。日本は、太平洋の隣国としてこの困難に共に取り組むべく、1997年から3年ごとに「日・太平洋諸島フォーラム(PIF)首脳会議(太平洋・島サミット)」 (注53) を開催するなど、具体的な協力を積み重ねてきた。




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