第2章 地域別に見た外交 |
(3)モンゴル国
モンゴルでは、2004年の総選挙の結果、人民革命党と祖国・民主連合により、エルベクドルジ首相(民主党)率いる大連立内閣が発足したが、2005年6月の大統領選挙を前に祖国・民主連合が解散したことなどにより、人民革命党は政治的影響力を回復させつつあり、大統領選挙ではエンフバヤル国家大会議長(前首相、人民革命党党首)が圧勝した。2006年1月には、エルベクドルジ内閣が、貧困対策をはじめとする経済政策が十分に実行されないことを理由に、人民革命党により総辞職に追い込まれ、エンフボルド人民革命党党首を首相とする新内閣が誕生した。 経済面では、主要輸出産品であるカシミヤや銅等の世界市況の好調を背景に2005年の成長率は前年比約6%の増加となり、1994年以降のプラス成長を維持した。また、南ゴビ地方で豊富な埋蔵量が推定されているコークス炭や金・銅に世界が注目し始め、その開発に対する大規模な投資への機運が高まった。政府はこうした地下資源開発への外資導入のため法制度の環境整備に着手する一方、原料輸出に依存する体質を改善しようと中小企業の振興政策を積極的に打ち出している。 対外関係では、11月に米国の現職大統領として初めてブッシュ大統領がモンゴルを訪問、モンゴルのイラク復興支援参画を高く評価した。また、エンフバヤル大統領が同月、大統領就任後初の外国訪問先として中国を公式訪問した。第60回国連総会では、「モンゴル国の建国800年」決議案を提出し、採択された。 日本との関係 (注46) では、3月にムンフオルギル外相、5月にエンフボルド産業通商相が「愛・地球博」の開会式とモンゴルのナショナルデーにあわせ、それぞれ来日、日本側要人と意見交換した。また、6月の大統領就任式参加のため、谷川外務副大臣がモンゴルを訪問した。2006年のモンゴル建国800周年に当たり、日本は同年を「日本におけるモンゴル年」、外交関係樹立35周年に当たる翌2007年を「モンゴルにおける日本年」として、両国の友好関係の一層の発展を目指している。 |
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