第2章 地域別に見た外交 |
2.中国とその近隣地域及びモンゴル国
(1)中華人民共和国 【総 論】 日中関係が、最も重要な二国間関係の一つであることは、両国の共通認識である。経済関係や人的交流は大きく拡大しており、相互依存関係の深まりは、日中関係の基調の堅固さを示している。政府としては、中国の経済発展は「好機」であるとの基本認識の下、中国の台頭を歓迎しており、日中関係を未来に向けて発展させていくという日本の基本方針に揺るぎはない。これに対して、中国側も、対日関係重視の基本方針を堅持しており、2005年9月に行われた胡錦濤国家主席の演説 (注25) の中でも、「日中関係を健全かつ安定的、前向きに発展させ、日中両国人民の世々代々の友好を続けていく」との方針が表明されている (注26) 。 日中間には意見の異なる分野もあるが、これが日中関係全体の発展に影響を与えることはあってはならず、大局的な視点に立って未来志向の協力関係を強化していくことが重要である。 日本としては、以上の日中両国の基本的立場に基づき、引き続き、個別の問題が日中関係全体の発展の支障とならないよう、真剣な対話を通じて解決していくとともに、幅広い分野における協力関係を強化し、地域や国際社会に貢献する日中関係を構築していく考えである。 |
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