第3章 分野別に見た外交


対人地雷問題
 対人地雷問題については、日本は、国際社会において広く実効的に対人地雷の禁止を実現するとともに、地雷対策支援を強化していくことを「車の両輪」として包括的な取組を推進してきている。例えば、1998年以降、地雷除去や犠牲者支援のために、30か国以上に対して160億円を超える支援を実施してきている。特に、アフガニスタンにおいては、地雷対策支援を同国の復興支援の主要な柱の一つに据えてきている。具体的には、人道的地雷除去や復興事業対象地域の地雷除去を支援しているほか、地雷除去機の開発や元兵士をはじめとするアフガニスタン人のための地雷除去訓練を通じてアフガニスタン自身による努力を支援しており、国際機関、NGO、移行政権等を通じた支援の総額は約50億円に上っている。
 国際社会において、実効的な対人地雷の禁止を実現するためには、より多くの国が対人地雷禁止条約(オタワ条約)(注55)を締結することが重要である。日本は、アジア太平洋などの未締結国に対し、条約締結の働きかけを行っている。また、2004年11月末にナイロビにおいて行なわれたオタワ条約第1回検討会議には河井克行外務大臣政務官が出席し、2009年までの5年間で、アジア・中東・アフリカ地域に力点を置きつつ、1)「平和の構築」への貢献、2)「人間の安全保障」の視点の重視、3)産官学民の連携及びその一環としての技術開発への取組、の3原則にしたがって、従来同様の規模で地雷対策支援を行っていくとの新たな対人地雷政策を表明した。



▲対人地雷禁止条約(オタワ条約)第1回検討会議で演説する河井外務大臣政務官(11月)

 



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