第3章 分野別に見た外交


小型武器
 近年、紛争の解決に向けて、紛争の予防あるいは紛争終了後の再発防止への努力が重要視されるようになってきた。国際社会には、過剰なまでの小型武器が存在し、紛争の激化・長期化、紛争終了後における治安の悪化、紛争の再発等を助長する原因の一つとなっているだけでなく、国家や社会の復興の大きな障害となっている。そうした問題に取り組むため、2001年には小型武器の非合法な取引の防止、国際協力等を盛り込んだ行動計画が策定され、2004年6月には行動計画のフォローアップ事項として挙げられていた小型武器のトレーシング(追跡)に関する国際文書を策定するための第一回会合が国連で開催された。2005年6月には、第三回(最終)会合が開催される予定となっている。
 また、日本は、小型武器の回収と開発を組み合わせた「小型武器回収プロジェクト」を関係機関と協力して実施してきている。例えば、カンボジアにおいて、紛争予防・平和構築無償資金協力事業としてカンボジア政府及び地方政府と協力し、小型武器回収の対価としての開発、小型武器破壊、小型武器の管理・登録支援、啓蒙活動等を柱とした「カンボジアにおける平和構築と包括的小型武器対策プログラム」を実施してきている(平成14年度4.5億円、平成16年度4.7億円)。その結果、2004年9月末時点で9000丁を超える小型武器の回収が実現した。

 



テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む