第2章 地域別に見た外交


【ロシアの対外関係】
 プーチン大統領は2004年も活発な首脳外交を展開した。
 米国との関係では、6月と11月に首脳会談を行い、イラク問題など一連の国際情勢や、二国間問題が話し合われた。
 EUとの関係では、ロシアは4月にEU拡大に関する議定書に調印し、5月のロシア・EU首脳会合では、ロシアのWTO加盟に関わる二国間交渉が妥結した。その際、プーチン大統領は京都議定書の批准手続きを加速する旨を表明し、その後、10月にロシア議会は同議定書の批准法案を採択、11月に大統領が署名した。
 中国との関係では、10月にプーチン大統領が訪中し、国境画定交渉の最終的妥結、ロシアのWTO加盟に関わる二国間交渉妥結等の成果があった。また、12月にはインドとトルコを歴訪するなど対アジア外交に積極的な姿勢を示した。
 独立国家共同体(CIS)(注12)諸国との関係では、ロシアは10月に中央アジア協力機構(CACO)(加盟国:カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン)に加盟し、CISでのプレゼンスを強化した。一方、10月~12月に行われたウクライナ大統領選をめぐっては、ロシアが事実上支持する姿勢を示したヤヌコーヴィッチ候補がやり直し選挙により敗北するという結果になった。

 



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