第2章 地域別に見た外交


2 中国とその近隣地域及びモンゴル国

(1)中華人民共和国
【総論】
 2004年には、日中間の人的往来が400万人規模に達し、貿易総額も1,600億ドルを超えるなど、人的交流や経済関係がより一層拡大・深化した。一方、サッカー・アジアカップにおける一部の中国人サポーターによる行動(注27)や、東シナ海における中国による資源開発など、日中間において様々な懸案が生じた。このような中、11月、小泉純一郎総理大臣はチリでのAPEC首脳会議の際に胡錦濤(こきんとう)国家主席と、ラオスでのASEAN+3首脳会議の際に温家宝(おんかほう)国務院総理とそれぞれ会談し、日中関係が二国間関係のみならず、地域・国際社会全体にとっても、極めて重要であるとの認識を共有し、幅広い分野での協力を強化して、未来志向の日中関係を構築していくことで一致した。この二回の首脳会談で日中関係が率直に語り合い「戦後60周年」にあたる2005年の日中関係を「友好」重視として進めていくとのメッセージを両国国内に向けて発出した。日本としては、引き続き、日中間の個別の問題が日中関係全体の発展の支障とならないよう、対話を通じて相互理解・相互信頼を深化させるとともに、幅広い分野における協力の強化を通じて、日中間の共通利益を拡大していく考えである。



▲APEC首脳会議(チリ)に際し、胡錦濤国家主席と首脳会談に臨む小泉総理大臣(11月 提供:内閣広報室)




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