第3章 分野別に見た外交 

第2節 国際社会の繁栄の実現に向けた取組

【総論】(経済連携協定(EPA)/自由貿易協定(FTA)については第1章で詳述)
 2003年の世界経済は、イラク戦争後、それまで景気を下押ししていた不透明感が払拭され、下半期以降、米国経済に牽引される形で景気回復の動きが強まっている。重症急性呼吸器症候群(SARS)の影響を脱した中国も高い成長率となり、アジア地域の成長を牽引した。
 こうした中、日本は、対外経済と安全保障や経済協力等とを有機的に結びつけつつ、以下の四つの重点課題を柱として戦略的に対外経済外交を展開した。第一は、国際経済における基本ルール策定への積極的な参画(グローバルな取組)である(多角的貿易体制の維持・強化や、G8サミット等における世界経済の成長、持続可能な開発等のグローバルな問題への対処)。第二は、重層的な経済関係の拡充(地域及び二国間レベルでの取組)である(経済連携協定(EPA)/自由貿易協定(FTA)の締結やアジア太平洋経済協力(APEC)等の枠組みを通じた地域的な経済連携・協力の推進、日米・日欧経済関係の強化)。第三は、経済安全保障の強化である(エネルギー安全保障、海洋、漁業、食糧等の諸課題への対応)。第四は、日本企業支援である。このほか、日本経済の活性化の一環として、対日投資の促進及び規制改革にも取り組んでいる。
 日本は、これらの対外経済の諸課題に効果的に応えながら、国際社会の繁栄の実現に向けた取組に積極的に参画しつつ、日本の経済的利益の促進に努めていく考えである。
 また、国際科学協力については、科学技術立国として発展してきた経験を踏まえて、二国間、多国間の協力を推進していく。

 
実質GDP成長率

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図解 日本の対外経済外交のテーマ

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