わが外交の近況

昭和32年9月

外  務  省

ま え が き

一、本書は、本年一月から六月末までの時期を中心に、日本外交の大きな流を明らかにし、またこの時期において日本外交の当面した個々の問題につきその特質を述べ、処理の経緯を記し、もつて今日の外交問題の実体を明らかにしたものである。ただし説明の便宜上右の時期以前に筆が及んだ部分もあり、また本年七月以降の出来事も一部含んでいる。

二、流動する国際関係に対処して、今後必要に応じ、追補あるいは特集の形で本書を補完してゆくこととし、またできれば年二回は本書を刊行することとしたいと考えている。

三、新らしい国際的地位に立つわが国の外交を、国民的支援により一段と積極的に推進してゆくために、国民各位が本書を通じわが国外交に対する関心と理解を深めていただければ、本書発行の使命は達せられると思う。

昭和三十二年九月

外 務 大 臣

藤 山 愛 一 郎

-も く じ-

総  説

一 国際情勢の推移

二 わが国外交の基調

三 最近におけるわが国外交の大要

各  説

一 我が国と各地域との間の諸問題

アジア関係

北米関係

ラテン・アメリカ関係

西欧関係

英連邦関係

ソ連および東欧関係

中近東関係

二 最近における通商・貿易交渉

通商航海条約関係

貿易支払取極関係

対米貿易および東西貿易の諸問題

欧州共同市場の結成とガットおよびわが国との関係

三 国際連合における活動

四 核実験禁止問題

五 海外移住の現状

六 戦犯者の釈放と抑留邦人送還に関する努力

七 文化の面における国際交流

資  料

本書特集略もくじ

特集一(岸総理の第一次東南アジア諸国訪問)

一、概説  二、行事日程  三、各国における首脳者との会談概況  四、東南アジア訪問の成果  五、海外新聞論調  (資料)各国総理大臣との共同声明

特集二(岸総理の米国訪問)

一、概説  二、行事日程  三、アイゼンハワー大統領、ダレス国務長官等との会談の経過  四、訪米の成果  五、海外新聞論調  (資料)日米共同声明全文