APEC保健大臣声明(概要)
2003年6月28日
- SARSはアジア太平洋地域内外で人々の雇用・自信・健康及び貿易・ビジネスの移動などに影響を及ぼし、経済の安定及び成長に対する脅威。SARS対策には、継続的かつ集中的な地域・世界レベルでの協力が必要。
- エコノミーは既に効果的な健康診断や感染の疑いのある患者の隔離・入院及び観光・航空部門における情報共有等の措置をとり、渡航・貿易が安全化。しかし、これは出発点にすぎない。
- SARS対策における世界保健機構(WHO)の中心的役割に感謝。また、ASEAN+3保健大臣会合で承認されたイニシャティブ等を歓迎し、SARSが地域に及ぼす影響に迅速に対応するための協力を指示する等、強力な政治コミットメントが表明されたことを高く評価。
- 本会合において閣僚は、SARSの継続的監視及び対策の実施、地域の人々の保護及び正常な渡航及び貿易の再開へ向けてのコミットメントを再確認した。
- 閣僚は、SARSに対する地域・国際的努力の精神を支持・歓迎し、特に以下の共同行動を積極的に取ることに同意した。
- SARSに対するAPEC行動計画の迅速かつ完全な実施。
- 各エコノミー内外の人々の意識及び信頼醸成に不可欠な、正確かつ時宜を得た情報を提供。EiNET(APEC Emerging Infections Network:流行感染症に関する時宜を得た情報提供を通じてAPEC域内の政策決定者、保健担当官、研究者間の協力を促進する組織。SARSに関しては2003年二月の段階で未確認の肺炎として情報を提供)を通じた情報共有。
- WHOとの協力
- 健康診断(スクリーニング)共通指導原則を推進。
- APECコミュニケーション戦略の実施。各エコノミー、APEC下部組織のコミュニケーション戦略の強化・補完。
- 症例研究の共有、科学技術の移転、SARS及び将来におけるその他新興感染症の影響を受けているエコノミーに対する医療援助などが特に優先されるべき。
- SOM、APEC産業科学技術作業部会(ISTWG)及び保健専門家との連携による感染症戦略及び感染症ネットワークの強化。
- インフルエンザ及び他の感染症対策能力醸成のためのプロジェクト(2003年実施予定)を歓迎。
- 感染症対策の円滑化に資するため、高級保健専門家をAPEC保健専門家バーチャル・ネットワークの一員に指名。
- 観光作業部会プロジェクトの「アジア太平洋地域の観光に関する危機管理」を歓迎。
- SARS対策が非関税障壁とならないことを再確認。
- 地域内外の旅行者の信頼回復を促進し、WHOが危険地域から除外した場合渡航制限を解除することを要請。
- APEC税関当局に対するSARS対策を目的に輸入される医療機材への便宜供与。
- ボゴール目標及びアジア太平洋社会の健全な繁栄に関するAPEC首脳のビジョンに対するコミットメントを再確認。
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