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SARSに関するAPEC保健大臣会合(概要)


2003年6月28日


 6月28日にタイ・バンコクにおいて、「SARSに関するAPEC保健大臣会合」が開催された(我が国より、坂口厚生労働大臣が出席。タイのスダラット保健相及びスラキアット外相が共同議長を務めたほか、タクシン首相が会合冒頭に基調スピーチを行った。WHOからも感染症部長が参加した)。

 本会合は、APECの枠組みにおいて初めて開催される保健担当閣僚会合であり、中国、香港、台湾、加(トロント)等、SARSの被害・影響が深刻な国・地域が参加するフォーラムであるAPECにおいて如何なるSARS拡大防止策が取られるかが注目された。

 本会合においては、SARSの拡大が終息しつつあるとの認識を踏まえつつも、再発・拡大防止策の徹底するとともに、症状の似ているインフルエンザが多く流行する冬までの間に診断法を確立するための研究の重要性が多く指摘され、引き続きAPECにおいて、WHOとも協力しつつ、SARS対策に万全を期す必要性につき認識が共有され、「SARSに関するAPEC行動計画」(5月30日採択)(注)の着実な実施が要請された。会合終了時には、海外旅行者の健康検査(スクリーニング)・管理に関する指導原則を含むAPEC保健大臣声明(概要全訳(PDF))が発出された。

(注) 「SARSに関するAPEC行動計画」

 APECとしてSARSに関する取組みをまとめた行動計画で、5月の第2回高級実務者会合で採択され、6月のAPEC貿易担当閣僚会合で承認された。緊急対策として、(1)情報の共有、(2)感染症対応戦略の推進、(3)国境における健康検査に関する共通ガイドラインの採用、また、中長期的対策としてAPEC関連フォーラム・作業部会における(1)観光への影響、(2)SARSの貿易・投資への影響、(3)経済への影響、(4)公衆衛生分野における取組・協力を推進等を盛り込む。


 同会合における議論の概要は以下のとおり。


1.基調スピーチ

(1) 冒頭タクシン・タイ首相が、APECにおけるSARSへの取り組みについての基調スピーチを行い、SARSの拡大が終息に向かいつつあるものの、科学的に不明な点が多く、また、新たな感染症の発生に備え警戒を緩めるべきではないこと、今後ともAPECがSARS拡大を防止する上で有益な役割を果たし、地域の経済への影響を最小限に抑えるとともに、新たな感染症の拡大防止に向け適切な対応をとることが重要である旨指摘した。

(2) 引き続き、ウー中国副首相兼保健相が、中国のSARSへの取り組みを紹介し、6月25日にWHOによる感染地域の指定が解除されたことを報告した。


2.SARSの拡大防止のための実効的施策

(1) APEC地域において今後ともSARSの拡大を防止していくためには、6月に開催されたAPEC貿易担当大臣会合で承認された「SARSに関するAPEC行動計画」を着実に実施していくことが必要である点で一致し、各エコノミーが協力しつつ、同行動計画に実施に向けた努力を継続していくことが決定された。

(2) 坂口厚生労働大臣より、SARSをはじめとした感染症の制圧のため、保健問題担当者が患者や患者との接触のある人の国際的な動きにつき、WHOガイドラインを徹底すべき旨指摘するとともに、症状が似ているインフルエンザが流行るまでに診断方法の確立のため、研究開発分野における国際協調、分担体制の確立を提唱した。


3.信頼回復のための情報戦略

 APEC事務局長より、同事務局ウェブサイトでの積極的な情報共有策につきプレゼンテーションが行われた。これに関し、参加閣僚間で、SARSの拡大を適切に防止するとともに、過剰な反応を防止し経済活動への影響を最小限に抑えるためには、情報の共有を図り、透明性の確保することが不可欠である点で見解が一致し、SARSに関するAPEC域内の情報共有面でAPEC事務局ウェブサイト内のSARS関連サイトが有効に機能していることが評価された。


4.APEC感染症戦略

 APEC産業科学作業部会を中心にこれまで実施されてきたAPEC感染症戦略に関し、SARS問題の重要性及び今後のAPECにおける保健問題への取り組みの強化の観点から、APEC保健作業部会、または保健問題に関する特別タスク・フォースの設立を検討すべきとの提案がチャイニーズ・タイペイ等からなされたのに対し、既存の作業部会や他の国際機関の取り組みとの重複を避けるべきとの指摘もなされ、本件については、8月の第3回高級実務者会合で引き続き検討することとなった。


5.研究・能力構築における官民共同作業

 SARSに関する研究開発や能力構築を進める上で官民の共同作業を強化することが重要であるとの指摘がなされた他、タイ側APECビジネス諮問委員会(ABAC)より、5月に東京で開催されたABAC総会において、SARS問題への対処に関し十分な議論が行われたことに関し、ABAC日本委員会及び日本政府に対し謝意が表明された。


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