第9回APEC中小企業大臣会合
共同閣僚声明概要
1.中小企業の優先分野
APEC内における中小企業の利益拡大のため、以下の3分野を優先的課題として取り組むことを合意。
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政策環境の改善
資金調達のアクセス改善、金融システムの促進、投資を円滑にする法的枠組みの整備、人材育成の強化、情報のアクセス改善、技術移転の促進、市場アクセスの強化
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持続可能な成長
ベンチャー・キャピタルを促進させるための支援強化、起業支援のためのインキュベーション施策の構築、起業を促すためのビジネス環境整備、女性起業家の育成支援
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地域主義
企業組合を通じた連携の強化、戦略的分野の特定と地域間の投資アクセスの円滑化、中小企業の発展に貢献する貿易と投資の自由化・円滑化の促進
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2.SPAN(中小企業育成統合行動計画)
98年に策定された本計画は、世界経済環境の変革等を反映させるべく、以下の内容にて新たに改訂した。(注:本計画は、アジア通貨危機を契機に、域内経済の発展には中小企業の成長が不可欠との認識のもと、第5回APEC中小企業大臣会合(1998年)において、2002年までの中小企業政策の共通指針として採択されたもの。)
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6つの課題と解決策
政策環境(財政運営、効果的な規制環境、競争的な貿易政策)の整備、人材育成、金融支援、技術導入の促進、市場の開拓・アクセスの改善、情報アクセスの円滑化(官民対話の促進、関係機関の連携強化)
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政策評価
各エコノミーにおけるベスト・プラクティスのレビューを含めた政策課題の抽出と分析の実施
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3.マイクロ企業育成
マイクロ(小規模)企業の重要な役割を認識し、各国政府、国際金融機関、及び国内金融機関は、マイクロ企業が抱える諸問題に対処するよう各種施策を講じるべきであると確認した。また、APEC中小企業作業部会においてサブ・グループを設置することが合意された。
4.関係国際機関との連携
APEC中小企業作業部会は、OECD中小企業作業部会からの代表者の参加を歓迎するとともに、両機関の協力を密接に行うことが合意された。
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