(1) |
イラク
(イ) |
川口大臣より、イラク問題に対処するに当たり、「国際社会対大量破壊兵器を有するイラク」という構図の維持が何よりも重要であることを指摘した上で、平和的解決のために努力すべきこと、引き続き国際社会の連帯を維持・強化しつつ、イラクの大量破壊兵器の問題の解決のため米国とともに努力していきたい旨を表明した。
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(ロ) |
川口大臣より、イラクが非協力的であり、義務を十全に履行していないという事実を踏まえ、国際社会の断固とした姿勢を明確な形で示す新たな安保理決議の採択が望ましいと考えており、安保理はそのような決議の採択に向けて努力すべきであると述べた。パウエル国務長官は安保理での議論についての見通しを述べ、新たな決議の採択に向けて引き続き最大限の努力を行う、その過程で日本とも緊密に協議していきたい、大量破壊兵器の拡散の問題は、国際社会全体の平和と安全にとって深刻な脅威であり、もはやイラクに残されている時間は限られている、大統領はまだ軍事行動を決定していないが、米国は必要であれば、意思を同じくする諸国とともにイラクを武装解除する決意であると述べた。
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(ハ) |
全体のやりとりを通じ、日米双方が平和を希求し今後もねばり強い努力を行うこと、他方で、大量破壊兵器の拡散は深刻な脅威であり、イラクが12年間にわたり安保理決議への違反を続けてきた現状に鑑み、残された時間は少なく、安保理が一致団結して効果的な行動をとり、国際の平和と安全に対する責任を全うする必要があること、日米双方が国際協調を図るため、今後一層緊密に連携して行動することが確認された。
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(2) |
北朝鮮
(イ) |
川口大臣より、(a)北朝鮮の核兵器開発の動きを日本としても極めて深刻に受け止めており、北朝鮮の核兵器開発は認められない、対話を通じた平和的解決が基本であり、ミサイルについても懸念している、(b)問題の平和的・外交的解決に向けたブッシュ大統領及びパウエル長官の累次のコミットメントを評価している、(c)問題解決のためには、国際社会全体としての取組が必要であり、日米及び日米韓の緊密な連携が基本になる。中、露等の関係国とも協力していきたい、と述べた。
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(ロ) |
これに対しパウエル長官より、(a)日本側の懸念を共有する、米国は問題の平和的解決を求めている。(b)日米韓の緊密な連携が基本であり、中、露等との協力を図っていく必要性につき日本と認識を共有する、(c)米として北朝鮮の国際社会に対する義務の履行に関して北朝鮮と対話をする用意はある、同時に、本件は米国以外の国も関与する国際的な問題であると考えており、マルチのフォーラムを追求する考えである、と述べた。
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(ハ) |
また、話の流れの中で、パウエル国務長官より、拉致問題の現状について質問があり、川口大臣より現状を説明した。
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(3) |
日米関係
(イ) |
日米関係については、沖縄における在日米軍の問題に言及があり、川口大臣より、以下を述べた。
(a) |
沖縄の負担軽減は極めて重要である。先般沖縄を訪問し、稲嶺知事等と意見交換をした。
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(b) |
その際自分より、日米安保体制の重要性につき改めて述べた上で、2002年末の「2+2」でも沖縄県民の負担軽減のための努力の重要性につき日米間でも共通の認識が確認された旨説明した。知事よりは、改めて普天間飛行場代替施設の使用期限問題につき要請があった。
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(c) |
普天間飛行場の移設・返還を含め、SACO最終報告の実施に際しては引き続き緊密に協議していきたい。
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(ロ) |
これに対しパウエル国務長官より、米政府としても、沖縄県民の負担軽減のための努力を続けることの重要性を十分に認識しており、普天間飛行場の移設・返還を含めSACO最終報告の実施について日本政府と緊密に協議を続けていくと述べた。
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(4) |
その他
(イ) |
中東和平につき、川口大臣より、同問題への真剣な取組の重要性を指摘したのに対し、パウエル国務長官より、米国は今後とも積極的な役割を果たしていきたいと述べた。
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(ロ) |
アフガニスタンとの関連で、パウエル国務長官より、テロとの闘いの一環としての「不朽の自由作戦」に対する日本の給油支援活動をはじめとする日本による支援について改めて謝意表明があった。また、アフガニスタンの道路建設を含め、同国の復興に向けた努力における日本の協力についても謝意表明があった。更に同長官より、日本がホストした「アフガニスタン平和の定着東京会議」を高く評価しているとの発言があり、カルザイ大統領はアフガニスタンの将来にとって重要な人物であり、来週米国を訪問し、ブッシュ大統領とも会談することになっているとの紹介があった。
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