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日米規制改革及び競争政策イニシアティブ
上級会合(概要)


平成16年3月5日


 3月4日及び5日、ワシントンにおいて開催された本件会合の概要は以下のとおり。今回の作業部会は、「成長のための日米経済パートナーシップ」の下に設置された「日米規制改革及び競争政策イニシアティブ」の3年目の対話の一環として行われたものである。


○日本側: 藤崎外務審議官(議長)、外務省、総務省、財務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、在米大使館の担当者。
○米 側: ベロノー通商代表部(USTR)法務官(議長代理)、USTR、国務省、商務省、司法省、国土安全保障省、連邦海事委員会(FMC)、食品医薬品庁(FDA)、在日大使館他の担当者。


1.今次会合の位置づけ

 今回の上級会合では、昨年10月24日に日米間で交換した規制改革要望書に基づいてこれまで課長級で行われた各作業部会(5つの作業部会を2回ずつ開催)を受けて、次官級で両国の規制改革及び競争政策について議論した。会合では、作業部会レベルで進捗が見られた重要事項や、引き続き意見交換が必要と思われる事項に焦点を絞り、大局的・重点的な議論が行われた。その結果、今後作成される両国首脳への報告書に係る作業につき、大まかな方向付けを与えることができた。


2.個別事項概要

(1) 情報技術(IT)(対日・対米要望)

 米側より、日本における著作権延長、著作権侵害に係る法定損害賠償制度、個人情報保護法の施行及び情報システム調達について言及があった。日本側からの現状説明に対し、米側は、特に新しい分野である個人情報保護については、法律の実施準備には時間がかかるが、前向きな進展を確認できるよう互いに努力していきたい旨コメントがあった。
 日本側要望としては、第三国での知的財産権侵害問題について、日米間でいっそう協力していきたい旨述べた。

(2) 医療機器・医薬品(対日・対米要望)

 日本側より、医療機器価格再算定制度の見直しや、4月に発足する医薬品医療機器総合機構(PMDA)における承認審査期間短縮の方向性等につき、米国政府の意見も十分踏まえた改革が進んでいる旨説明したところ、米側より、高く評価する旨発言があった。
 日本側からは、医療機器承認申請に係る国際的に調和された手続きを米国が遵守していない問題について、改善を申し入れた。また、医療機器・医薬品の品質管理規制(GMP)相互承認に向けた米側の真摯な対応を要望した。

(3) 電気通信(対日・対米要望)

 米側より、固定電話及び携帯電話の接続料について引き下げを要望するとの発言があった。日本側よりは、電気通信事業法の大改正により抜本的な規制の緩和と競争促進が図られたことに改めて言及するとともに、固定電話から携帯電話やIP電話へのユーザーの移動によって、固定電話の単位通話量あたりの接続料が上がってしまうのは、日本以外の情報通信先進国でも見られる傾向であることを指摘した。
 日本側よりは、米国通信市場参入規制の撤廃・緩和や基準の明確化を要請した。

(4) 構造改革特別区域(特区)(対日要望)

 米側より、特区の取り組みを改めて評価するとともに、成功事例を早期に全国化することを期待する旨要望があった。日本側よりは、特区の特徴を説明し、特区の評価の結果問題ないと判断されるものは速やかに全国化する考えであることを説明した。

(5) 簡易保険・郵政事業(対日要望)

 米側からは、本年1月より販売が開始された、「定期付き終身保険」について懸念を表明するとともに、簡保事業の競争条件を民間保険会社と同一にすべきである等、従来の主張を述べた。日本側からは、日本郵政公社は新商品を導入する計画は現在有していないこと等を説明したところ、米側もこれを評価した。

(6) パブリックコメント手続(対日要望)

 分野横断的問題に関する作業部会において、総合規制改革会議が昨年12月の答申でパブリックコメント手続の改善を提言し、政府はこの答申を最大限尊重する旨閣議決定しているとの前向きな動きが確認されたことを受け、上級会合でも米側より高い評価がなされた。

(7) 空港着陸料(対日要望)

 米側より、成田・関西両国際空港の引き下げによって両空港の国際競争力を高めるべきである旨、改めて要請があった。日本側より、空港の競争力を強化すべきとの認識は共有するとした上で、成田空港の民営化後は、まさに民間の自主的経営効率化努力がなされることとなり、その中で着陸料引き下げも実現していくことが期待される旨述べた。

(8) 税関の時間外開庁手数料(対日要望)

 4月より、税関の時間外開庁手数料がほぼ半額(既に特区での特例として半額になっていた税関については約4分の1の水準)になることに関し、米側より、流通分野での日本の競争力を高める極めて重要な決定であるとの評価があった。

(9) 外国法事務弁護士(外弁)(対日・対米要望)

 米側より、昨年通常国会で成立した外弁法改正は極めて喜ばしいニュースであるとした上で、(同改正で解禁された)外弁と日本の弁護士との提携等に係る日弁連の規則が、外弁に対してのみ制約を課すことがないようにすべきであるとの要望があった。日本側よりは、外弁法改正の趣旨を十分踏まえた規則を制定するように日弁連に要望している旨説明した。
 日本側よりは、米国の過半(27)の州で外弁受け入れが認められていない現状を改めて指摘し、改善の努力を継続するよう申し入れた。

(10) 領事政策(対米要望)

 日本側より、米国の一連の出入国管理強化策(バイオメトリクス旅券、US-VISITプログラム、ビザ申請者に対する面接実施等)に関し、テロとの闘いの重要性は理解するが、同時に円滑な日米経済関係とのバランスをとることが決定的に重要である旨述べ、措置の効率化や日本政府に対する十分な情報提供等を申し入れた。米側よりは、日本がテロ対策で米国と協力していることに感謝するとともに、日本の懸念はもっともであり、テロ対策強化という制約の中で努力を継続していきたいと述べた。

(11) 交通保安(対米要望)

 日本側より、物流安全プログラムである米国のC-TPAT参加企業に対し、当初約束されていた迅速な通関等の便益が実際には与えられていない点につき、強く改善を申し入れた。米側よりは、依然として米国のテロ警戒レベルが高く、検査回数を減らすといった措置をとり難い状況にあるが、いずれにしても、運用実態を引き続き注視し、日本にも情報提供したい等述べた。

(12) 貿易投資関連措置(対米要望)

 日本側より、昨年12月の鉄鋼セーフガード措置撤廃を評価しつつ、WTO協定違反が確定しながら米国が未だに撤廃していない各種貿易措置(1916年アンチダンピング法、日本製熱延鋼板アンチダンピング措置、バード修正条項)について、改めて撤廃に向けた米国政府の努力を要請した。特に、未だに1916年アンチダンピング法に基づいた司法府の判断によって日本企業が損害を被っていることを指摘し、行政府としても司法府に対する働きかけを行うべきであることを強く申し入れた。米側よりは、行政府としての検討状況について説明があった。



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