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日米規制改革及び競争政策イニシアティブ
第1回分野横断的問題に関する作業部会
(結果概要)


平成15年11月11日


 11月6日及び7日、東京において開催された本件会合の概要及び評価は以下のとおり。今回の作業部会は、「成長のための日米経済パートナーシップ」の下に設置された「日米規制改革及び競争政策イニシアティブ」の3年目の対話の一環として行われたものである。

○日本側: 山上外務省北米第二課長(議長)他、内閣官房、内閣府、警察庁、公正取引委員会、総務省、法務省、外務省、財務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省。
○米 側: ニューファーUSTR代表補代理及びシェムトブ司法省法律顧問(共同議長)他、国務省、財務省、商務省、在京米国大使館。


1.今次会合の位置づけ

(1)今回会合は、10月24日に日米間で交換した、互いの規制改革と競争政策に関する要望事項に基づいて開催される初めての会合であった。したがって、会合においては、双方の要望内容の明確化・確認と要望に対するそれぞれの基本的立場の説明を主眼として意見交換が行われた。結果として、基本的にすべての事項について互いの問題意識の確認と疑問点の解消を行うことができた。

(2)また、我が国における構造改革特別区域(特区)をはじめとする規制改革の取り組みの現状や、米国におけるテロ対策強化に伴う規制改廃措置の現状などについて、互いに理解を深めることができた。

2.主な対米要望事項概要

 3年目の対話において、日本側は、米国が9.11同時多発テロ以降強化してきている出入国管理や貨物安全対策などの措置が日米間の円滑な経済交流を阻害しないよう、両国間で議論し、建設的な解決策を探っていくことを最大の柱としている。具体的には、ヒトの流れに関する措置として領事政策を、モノの流れの関するものとして交通保安対策を特に重要事項と位置付け、今回の会合でも重点的に取り上げた。
 また、米国のセーフガード措置など対米貿易・投資に関連する措置についても取り上げた。

(1)領事事項
 (イ)米国査証(ビザ)申請者に対する面接義務づけや、(ロ)在米日本人から在日米国大使館への郵送による査証延長手続きの停止、(ハ)旅券(パスポート)への生体情報搭載に関する措置や、(ニ)米国入国地点における査証入国者からの生体情報取得などといった一連の施策を取り上げた。日本側よりは、米国がテロ対策強化のためにこのような措置を導入していることは理解するとしつつ、これらの措置が日米間での円滑な人の交流を阻害しないようにすべきであること、これらの措置については日本国民の間に広く懸念や不満が広がっており、友好な日米関係を維持するためにも前向きな対処を期待していること等を述べた。
 米側よりは、問題の重要性は認識しており、政府内の高いレベルも含めて議論されていること、日本人ができるだけ円滑に米国を訪問できるよう、何ができるかにつき関係省庁間で調整していること等について説明があった。

(2)交通保安
 米国向けコンテナに関する事前貨物情報提出ルールやコンテナ・セキュリティ・イニシアティブ(米国と各国が税関職員を対米輸出に当たって互いに主要港に派遣し事前に貨物検査を行うもの)などの米国措置について、日本側より、領事分野と同様、テロとの闘いとモノの流れの効率性との両立を確保することが重要であることを述べた。また、そのために、電子タグ等の最新技術を活用した物流の効率化についても日米間でよく意見・情報を交換していく必要があること等を述べた。
 米側よりは、領事政策と同じく、問題意識は日本側と共有しており、米国政府内関係省庁間で議論してきていること、日米間で知恵を出し合って問題の解決に努めていくこと等を述べた。

(3)米国のアンチダンピング(AD)措置及びセーフガード措置
 日本側より、日本製熱延鋼板へのAD措置、バード修正条項及び1916年AD法について、米国がWTOの紛争解決機関勧告に従い、これらの措置をWTO協定に整合的とするため、関連の法案を速やかに議会に提出・成立させる必要を改めて訴えた。また、鉄鋼セーフガード措置の即時撤廃を強く要望した。
 米側よりは、AD関連措置については行政府として引き続き努力を重ねたい旨、鉄鋼セーフガード措置については、WTOの上級委員会の報告を待って、慎重に対応を検討したいとの立場の説明があった。

3.主な対日要望事項概要

(1)構造改革特区
 米側より、これまで160以上の特区が順調に認定されてきていることを高く評価するとした上で、日本経済活性化のために民間・地方の活力を引き出し、その結果を全国に拡大するという特区の趣旨に則って、今後とも積極的かつ高い透明性をもって特区の拡大に取り組むことを期待しているとの要望の表明があった。
 日本側よりは、特区に対する米国政府の支持は心強いと述べるとともに、特区構想の推進に当たっては、当初より一貫して透明性・中立性を維持してきていることなどを説明した。

(2)国際空港着陸料
 成田・関西両国際空港の着陸料の速やかな引き下げを求めるとの米側要望に対し、日本側より、本件は空港管理者と航空会社との間で決められる問題であること、両空港の財政が厳しい状況にあること、着陸料以外の各種空港使用料を総体として見れば、両空港の利用にかかる費用は欧米主要空港に比べても必ずしも高いとはいえないこと等を説明した。また、成田空港の民営化をめぐる動きについても説明した。

(3)合併手法の近代化(改正産業再生法における商法特例の導入)
 米側の関心に応え、日本側より、改正産業再生法(4月に国会成立)における商法特例措置(三角合併や現金合併の解禁)に基づいた企業再編の動きについて、現状説明を行った。また、これらの合併手法を商法において一般的に認めることを含んだ商法改正の動きと見通しを説明するとともに、改正商法の試案を最近一般公開したことなども説明した。

(4)外国法事務弁護士
 7月に国会で成立した改正外弁法の内容(外弁による弁護士雇用禁止規定の撤廃や共同事業撤廃など)につき、米側の関心に応え詳細を説明するとともに、改正法施行までの見通しについて日本側より説明した。

(5)郵便金融機関
 郵便金融サービス(簡保及び郵貯)について、新商品の取り扱いやその競争条件を民間金融機関と同一にすること等について米側要望の趣旨の説明があった。これに対し、日本側より、郵貯・簡保は社会政策的な意味合いもあり、民間の金融・保険商品とは政策目的が異なる面があること、また、郵便関連サービスをめぐる制度の改廃については、国会の場で十分議論をつくして決定されてきているものであること等を述べた。  

(6)クレジットカード/デビットカードの利用
 米側より、日本では欧米に比べてクレジット/デビットカードの普及が十分進んでいないとして、税金納付や医療サービスなどでカード払いを可能にすること、ATMでの外国クレジットカードによるキャッシングを普及させること、カード犯罪への厳格な対応が必要であること等について、要望の説明があった。日本側よりは、カード普及や犯罪対策の現状を説明した。



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