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日米規制改革及び競争政策イニシアティブ
第1回電気通信作業部会
(概要と評価)


平成15年11月5日


 11月4日、東京において開催された本件会合の概要及び評価以下のとおり。今回の作業部会は、「成長のための日米経済パートナーシップ」の下に設置された「日米規制改革及び競争政策イニシアティブ」の3年目の対話の一環として行われたものである。

○日本側: 山上外務省北米第二課長及び鈴木総務省国際経済課長(共同議長)他、外務省、総務省の担当者。
○米 側: マクヘイル通商代表部(USTR)電気通信・電子商取引課長他、国務省、商務省、在日米国大使館の担当者。


1.今次会合の位置づけ

(1)今回会合は、10月24日に日米間で交換した、互いの規制改革と競争政策に関する要望事項に基づいて開催される初めての会合であった。したがって、会合においては、双方の要望内容の明確化・確認と要望に対するそれぞれの基本的立場の説明を主眼として意見交換が行われた。結果として、基本的にすべての事項について互いの問題意識の確認と疑問点の解消を行うことができた。

(2)また、我が国における電気通信事業法の改正をはじめとした最近の競争政策の発展や、米国における最新の電気通信市場動向、規制動向について、互いに理解を深めることができた。

2.対日要望事項関連概要

(1)電気通信事業法改正
 米側より、7月に国会で可決された改正電気通信事業法について、具体的にいかなる自由化と規制緩和措置が実現したのかについて質問があった。日本側よりは、一種事業と二種事業の区分の廃止、許可制や約款届出義務の廃止をはじめ、改正の重要点を詳細に説明した結果、米側より、心強い動きであるとの所感が表明された。

(2)規制の独立性・透明性
 米側より、日本の電気通信規制の独立性・透明性がいかに担保されるのかにつき質問があった。日本側よりは、政策決定については情報公開法、規制担当者の独立性については国家公務員関連諸法、規制政策への意見表明についてはパブリックコメント手続や行政不服審査法といった各種法的・制度的手当がなされていることを説明した。

(3)支配的事業者に対する規制
 支配的事業者が保有する設備への非差別的なアクセスがいかに確保されているかについて、日米双方における規制のあり方について意見交換を行った。日本側からは、電気通信事業法や関連ガイドラインの内容について説明した。  

(4)固定系接続
 NTT接続料に関し、米側より、(イ)通話量に比例しない費用(NTSコスト)を接続料算定データから除外する、(ロ)NTT東西担当地域別に接続料を設定する、(ハ)接続料算定モデルに算入する通話量データの算定における透明性の確保、などといった従来の主張について改めて説明があった。日本側よりは、平成15、16年度の接続料見直しの基本的考え方を再度説明するとともに、米側指摘の点((イ)及び(ロ))も含めて、平成17年度以降に係る接続料見直しの際には、最新の電気通信市場動向を踏まえた再検討が行われる見通しであることを述べた。また、(ハ)については、従来透明性を確保した形でデータを算出している旨説明した。  

(5)移動通信
 固定電話発携帯電話着の通話料金の設定権(料金設定権)について、米側は従来より、携帯側事業者に独占的に設定権が存在する状況を改善すべきであるとしていた。これに対し、総務省は6月に「(NTT以外の固定事業者発通話については)原則として固定電話側が設定権を持つことが適当」との方針を発表しており、米側もこれを評価するとともに、本件に関する最新の情報交換を行った。  

(6)高度無線技術及びサービスの促進
 米側より、無線ネットワークの市場拡大に対応した5ギガヘルツ帯周波数の利用促進について質問があった。日本側よりは、近年、当該周波数帯を全国で利用可能とするとともに、その活用のために、(既存通信との干渉が生じない範囲で)構造改革特別区域(特区)においてアンテナ利用に係る規制を撤廃してきている旨を説明したところ、米側もこれを評価した。

3.対米要望事項概要

 日本側要望については、6つの要望項目すべてについて、日本側の考え方を説明した上で、最新の状況について米側に質問した。主な進展は以下のとおりである。なお、新規要望事項である、ネットワーク回線終端装置(NCTE)に関する日米交換書簡の扱いについては、今回は日本側の基本的考え方を説明し、今後両国で意見交換を継続することとなった。

(1)無線局免許に係る外資規制
 外資規制が課されている「コモンキャリア」の定義につき、米側より実例も踏まえた説明があり、今後とも日本側に対して情報提供を継続することとなった。

(2)州レベルの規制
 日本側より、米国連邦通信委員会(FCC)が8月に発表した改訂接続規則において、特に詳細な規制権限が州に分散している点についての懸念を表明した。米側は、現時点で各州で混乱が生じているとは承知していないとし、また、主要州での規制内容が事実上の標準となり、実態上州間の規制の調和が図られていくのではないかといった見通しが表明された。

(3)アクセス・チャージ
 米側より、米国の接続料金体系についてFCCが根本的な再検証を行う見通しであるとの説明があり、また算定データ等の情報を引き続き日本側に提供していくと述べた。

(4)商用衛星の輸出手続
 米側より、手続効率化の試みについて現状説明があった。また、米国から輸出される衛星の仕様情報開示に係る制限については、国務省の担当部局に確認することとなった。

4.民間インプット

 今回会合の機をとらえ、民間の専門家を招いて最新の市場・技術動向について説明を受けた(本年2月の前回作業部会に続き二度目)。今回は、様々な分野での利用・活用が期待されている電子タグ(RFID)をテーマとし、技術動向(周波数や情報管理の安全性などの問題を含む)、利活用技術の実証実験、社会的需要見通しなど幅広い側面について民間参加者からの発表と意見交換が行われた。



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