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トップページ > 各国・地域情勢 > 北米 |
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I.日米経済関係の現状
- 米国政府は、日本が経済の早急な回復を通じアジア、ひいては世界経済に貢献することを強く希望。金融システム安定化、財政措置を通じた景気刺激、規制緩和・市場開放の重要性を強調してきている。小渕内閣は、緊急経済対策の策定・実施、今年度予算の早期成立と公共事業や減税のスピーディな実施、金融システムの安定化策の進展など、日本経済の厳しい状況に対応し、景気回復に向けて取りうる限りの措置を迅速かつ大胆に講じてきている。
- 日米首脳会談(5月3日)においては、日本経済再生へのこうした我が国の積極的な取組が評価される一方で、景気刺激策の維持、不良債権の速やかな処理、規制緩和対話の継続の重要性が強調された。
- 我が国の対米貿易黒字の拡大の背景には、我が国の景気の低迷による輸入の落ち込みや米国経済の好況等のマクロ経済的な要因があると考えられる。98年の米国の対世界商品貿易赤字は過去最高となり、今後主要な対米貿易黒字国である日本に対する見方が厳しいものとなることも予想される。
日米包括経済協議のセクター別・構造面での協議及び交渉の柱の下、94年8月以降、知的所有権、政府調達、板ガラス、金融サービス、投資・企業関係が決着。95年6月末の自動車・同部品問題の決着をもって日米包括経済協議の下での優先交渉分野は全て決着した。他方、96年初めより、米側が保険、半導体、航空、フィルムの4分野を提起、同年8月に半導体が、12月に保険が決着した。この他、NTT調達問題が97年9月に、港湾問題が11月に決着した。更に長年未解決であった航空問題も、98年1月に決着し、現在二国間交渉で決着をみていない懸案は存在しない。ただし、保険、板ガラス、政府調達、自動車・同部品、鉄鋼については、最近、米側よりの問題提起がなされている。また、植物検疫措置(リンゴ等)についてはWTO紛争解決手続きにおける結論に則して検討中。
(1)規制緩和
(2)スーパー301条等
(3)鉄鋼
(4)保険
(5)政府調達
(6)自動車・同部品
(7)板ガラス
(8)りんご(植物検疫制度)
(9)港運制度
(10)フィルム(1)規制緩和
97年のデンバー・サミットの際の日米首脳会談において決定された日米規制緩和対話の「強化されたイニシアティブ」の下で、日米両国は、上級会合とその下に設けられた6つの専門家レベル会合(規制緩和・競争政策等、電気通信、住宅、医療機器・医薬品、金融サービス、エネルギー(98年に追加))を開催し、双方向性の原則に基づき、意見交換を行ってきている。98年5月の第1回共同現状報告に続き、99年5月の日米首脳会談に際しては、2年目の対話の成果として第2回報告を発表した。また、3年目の対話を2000年3月末を目途に、引き続き双方向性の原則に基づき対話を継続することとなった。(2)スーパー301条等
USTRは4月30日、74年通商法301条の特別手続き(いわゆるスーパー301条等)及び政府調達に関するタイトルVIIに基づく報告書を発表。我が国については、優先外国貿易慣行の特定は行われなかったものの、スーパー301条の下で、保険、自動車・同部品、板ガラスの各分野が、またタイトルVIIの下で、コンピューター及び建設分野が懸念の対象(いわゆる監視対象)として言及された。(3)鉄鋼
米国鉄鋼業界及び労組は、日本、ロシア、ブラジルからの熱延鋼板の対米輸出が急増しているとして、98年9月30日にアンチ・ダンピング提訴を行った。11月13日に国際貿易委員会(ITC)が産業界への実質的被害についての仮決定を下し、99年4月28日、商務省が公正価額未満での販売が行われているとして、ダンピング幅の決定を行った。さらに99年2月16日、炭素・合金鋼厚板がアンチダンピング提訴され、4月2日、ITCは実質的被害について仮決定を行った。一方、米議会では、鉄鋼輸入制限を義務づける法案が3月17日に下院を通過した。(4)保険
日米保険協議の結果、「94年措置」において、外国保険会社の市場アクセスの改善と大手邦社の第三分野への参入制限(激変緩和措置)が規定された。さらに「96年補足的措置」においては、主要分野における規制緩和について5つの基準を達成した2年半後に激変緩和措置が解除されることが規定された。98年7月1日までに右基準が全て満たされたことを受け、2001年1月に第三分野は開放され、保険市場は完全に自由化される。他方、米側は主要分野の規制緩和や第三分野における激変緩和措置の実施状況に不満を有している。4月16日に年次協議が開催された。(5)政府調達
日米包括協議の下で、米国より政府調達における外国製品の比率の拡大を目指すべきとの指摘があったことも踏まえ、我が国は物品一般の政府調達に関し無差別、透明、公正、競争的な手続の定める自主的な運用指針を策定した他、スーパーコンピューター、コンピューター、非研究開発衛星、電気通信、医療技術の5文野について個別の自主的措置を定めている。米国は最近の外国製品のシェア低下及び随意契約の増大について懸念を表明している。また、建設分野についても、同様の行動計画を策定している。なお、これらの個別分野については、原則として毎年実施状況等に関するレビュー協議を開催している。(6)自動車・同部品
米国は、米国産車の対日輸出の落ち込み、米国産部品の調達減少、自動車関連の規制緩和の停滞を懸念。また、車両検査手続・車両登録手続の簡素化、規制・規格に関する透明性の確保を要望している。我が国は、分解整備検査の廃止、2級自動車シャシ整備士資格創設決定等、95年の日米自動車・同部品協議の決着に即した措置を着実に実施している。
米国はまた、95年決着の枠外で、我が国改正省エネ法に基づく新燃費基準策定過程における透明性の確保を要望するとともに、自動車基準に関するグローバル協定への早期署名を慫慂。(7)板ガラス
米国は、日本市場は依然として競争制限的であるとして、日本の板ガラスメーカーおよび流通業者の独占禁止法遵守プログラムの改善に向けた行政指導に日本政府が取り組むべきである等と主張している。我が国は、95年措置を着実に実施するとともに、米側より要望のあった「官民合同会議」を開催することとしている。(8)りんご(植物検疫制度)
我が国が行っている品種毎の試験要求は科学的証拠に基づくものではない等を内容とするWTOパネル/上級委報告が3月19日に確定し、今後、我が国の植物検疫措置を右報告に沿ったものとするべく、現在検討中。(9)港運制度
97年9月、我が国の港湾制度の改善を求めて米国連邦海事委員会(FMC)は日本船社に対する制裁を発動。その後政府間協議が決着し、制裁は停止(撤回ではない)されたが、FMCは9月分の課徴金150万ドルを徴収した。右措置に関し、日米友好通商航海条約に基づく第1回協議を98年7月に開催したが、日米双方の主張は平行線に終わった。(10)フィルム
98年1月、WTOは、わが国の措置がガット違反であるとの米国の主張をほぼ全面的に退ける旨のパネル最終報告を日米両国に通知した。米国は右報告を受け入れる一方、本パネルを通じて日本が主張した立場を監視・評価する「監視・履行委員会」を独自に設置した。
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