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共同プレス発表
日本・フィリピン経済連携協定

2004年11月29日
(英語版はこちら)


 小泉純一郎日本国総理大臣とグロリア・マカパガル・アロヨ・フィリピン共和国大統領は、2003年12月11日、東京において会談し、2002年から2003年にかけて行われた日・フィリピン経済連携協定のための作業部会及び合同調整チームにおける議論と成果を基礎として、両国政府が同協定の交渉を2004年の早期に開始し、合理的な期間内に同協定を締結することを決定した。また、両首脳は、同協定が日本とASEANとの間の包括的な経済連携を構築し、強化することになることを改めて確認した。

 この考えに基づき、本年2月以来、一連の会合が開催され、これらの会合を通じて精力的な交渉が行われた。

 11月29日、小泉総理とアロヨ大統領は会談を行い、日フィリピン経済連携協定の主要点について大筋合意に達したことを確認した。両国政府は、これまでに達成された成果に基づいて、今後、協定を完成させるため、協定の条文交渉等の作業を迅速に行っていくことを確認した。

 この協定は日本とフィリピンの間の物品、人、サービス、資本の自由な移動を促進し、双方の経済活動の連携を強化するとともに、知的財産、競争政策、ビジネス環境整備、さらには人材養成、情報通信技術や中小企業等の分野での二国間協力を含む包括的な経済連携を推進することを目的とする。この協定の締結の暁には、日フィリピン両国が本来有している相互補完性を発揮し、二国間経済関係を一層強化することが期待される。

 これまでの交渉を通じ、大筋合意に達した主要点は次の通り。

1.物品の貿易

 鉱工業品と農林水産品について包括的な関税の撤廃と引き下げが行われる。この分野の主要な合意点については別添のとおり。

2.税関手続

 税関手続の調和・簡素化を通じた貿易円滑化、及び不正な貿易取引の取締りを図る観点から、両国間の情報交換・協力を推進する。

3.サービス貿易

 透明性を高める観点から、市場アクセス及び内国民待遇に適合しない全ての規制に関するリストを作成していく。多くの分野において自由化レベルを現状から後退させないことを約束すると共に、特定のサービス分野について新たに自由化を行うことを約束する。

4.投資

 投資の自由化のために内国民待遇、最恵国待遇及びパフォーマンス要求の禁止に関する規定を設け、また、これらの規定に適合しないすべての例外を明記することで透明性の高いルールを定める。さらに、投資保護についての規定を設ける。

5.人の移動

 日本側は、フィリピン側が日本側の関心に対応する同様の仕組みを将来において提供するという想定の下に、一定の要件を満たすフィリピン人の看護師・介護福祉士候補者の入国を認め、日本語等の研修修了後、日本の国家資格を取得するための準備活動の一環として就労することを認める(滞在期間の上限、看護師3年、介護福祉士4年)。国家試験を受験後、国家資格取得者は看護師・介護福祉士として引き続き就労が認められる。  
 介護福祉士については、日本語の研修修了後、課程を修了した者に介護福祉士の国家資格が付与されることとなる日本国内の養成施設へ入学する枠組も設ける。
 詳細は、別添のとおり。具体的な受入れ人数については、日本側がフィリピン側と今後相談して決めることとなる。

 フィリピン政府は、出入国管理・労働許可関連の手続きの簡素化、フィリピン在住の日本人の「出国証明書料」の負担軽減のための提案を含む、人の移動の円滑化に係る必要な措置をとる。

6.協力

 両国の経済連携の強化に資するべく、人材養成、金融サービス、情報通信技術、エネルギー及び環境、科学技術、貿易投資促進、中小企業、観光、運輸の9分野において二国間の協力を促進する。

7.知的財産

 知的財産分野における協力の要素と、適切な知的財産保護及び執行についての要素を盛りこむ。また、協議メカニズムを通じて、知的財産保護及び執行の強化に向けた協議を行う。

8.競争政策

 両国は、反競争的行為への取組みを通じ競争を促進するための適切な措置をとり、また、協力する。

9.相互承認

 両国間の電気用品の貿易を円滑化するため、電気用品分野における相互承認について規定することに関する交渉を継続する。

10.ビジネス環境整備

 両国の貿易・投資を一層促進するため、両国はビジネス環境を整備するために協力する。そのため、民間セクターからの代表の参加も可能なビジネス環境整備のための委員会など、協議のための枠組みが設置される。




別添


鉱工業品分野における交渉の結果概要


1.総論

 鉱工業品分野においては、日フィリピンともに、ほぼ全ての品目について、協定発効日から10年以内に関税を撤廃。

2.各論

(1) フィリピン側による自由化

○鉄鋼については、日本からの輸出量の60%以上について、関税を即時撤廃。

○自動車及び自動車部品については、例外なく2010年までに関税を撤廃。一部品目については、関税を即時撤廃。

○電気・電子製品及び同部品については、例外なく協定発効日から10年以内に関税を撤廃。プラズマテレビ等の付加価値の高い製品については、関税を即時撤廃。

○繊維及び衣類については、ほぼ全ての品目について相互に関税を即時撤廃。

(2) 日本側による自由化

○ほぼ全ての品目について、関税を即時撤廃。




別添


農林水産品分野における交渉の結果概要


1. 我が国の措置

(1) 除外又は再協議品目
  • 米麦・乳製品(国家貿易品目)、牛肉、豚肉、粗糖、でんぷん、パインアップル缶詰、水産IQ品目、マグロ・カジキ類(クロマグロ、メバチ等)、合板等
(2) 砂糖
  • 粗糖・・・協定発効後4年目再協議
  • 糖みつ・・・関税割当(枠内税率は枠外の50%水準)
    3年目 2,000トン → 4年目 3,000トン
  • マスコバド糖(含みつ糖)・・・関税割当(枠内税率は枠外の50%水準)
    3年目 300トン → 4年目 400トン(1kg以下の小売容器入り)
(3) 鶏肉
  • 鶏肉(骨付きもも肉を除く)・・・関税割当(枠内税率は11.9%→8.5%に削減)
    1年目 3,000トン → 5年目 7,000トン
(4) パインアップル
  • パインアップル(生鮮)・・・関税割当(枠内税率は無税)
    重量の小さいものについて、
    1年目 1,000トン → 5年目 1,800トン
(5) バナナ
  • 小さい種類のもの・・・協定発効後10年間で関税撤廃
  • その他のものについて、
    冬季関税:20% → 18%(10年間)
    夏季関税:10% → 8%(10年間)
(6) 水産物
  • キハダマグロ、カツオ・・・協定発効後5年間で関税撤廃

2.フィリピン側の措置

 我が国輸出関心品目(ぶどう、りんご、なし等)・・・関税を即時撤廃


別添


日比EPA (看護・介護分野での比人受入れ)
に係る基本的枠組み


詳細はこちら(PDF)をご覧下さい。

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