FEALAC・中小企業育成若手関係者招聘(平成16年度青年招聘)計画
概要と評価
平成17年3月2日
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本プロジェクトは、「東アジア・ラテンアメリカ協力フォーラム(FEALAC)」の枠組みの下、東アジア、ラテンアメリカ両地域の経済関係強化のため、日本のイニシアティブにより実施。
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2月20日から3月2日まで、東アジア及び中南米30ヶ国より各国1名ずつ、計30名の中小企業育成に関する若手関係者を訪日招待し実施。
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本招聘参加者による「中小企業育成促進セミナー」を中小企業関係者を招いて開催。中小企業育成促進における両地域の連携強化のための具体的方策等につき、各国参加者によるプレゼンテーション・意見交換を踏まえ、「ヤングリーダーによる10の提言」を作成。
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その他、中小企業育成・支援関連機関訪問、日本企業視察、ホームステイを含む地方旅行等を実施。
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2004年1月のFEALAC第2回外相会合で採択されたマニラ行動計画の主要目標(「更なる経済発展に向けての両地域の経済交流の促進」)に日本として具体的に貢献するという意義に加え、被招聘者間の交流促進及び対日理解の促進という観点からも、非常に有効なプログラムとなった。 |
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1.今次研修の概要
(1)研修日程
(イ)セミナー
- 2月25日、外務省にて開催。
- 中小企業育成に焦点をあてた今回の招聘では、同テーマに関する両地域の連携の具体的方策や、FEALACの果たすべき役割、今後の課題等につき、4グループに分かれて自由に討議を重ねた後、各グループはレポートの作成及びプレゼンテーションを行った。また、被招聘者全員で、同テーマに関して「ヤングリーダーによる10の提言」をまとめた。
(ロ)訪問、文化体験等
- 中小企業育成・支援関連の機関を訪問し、さまざまな観点から日本の中小企業育成に関する見識を深めた。また、実際に中小企業を訪問し、関係者との意見交換を行った。
- トヨタ自動車への視察・訪問等を通じて我が国経済についての見識を深めたほか、地方旅行(京都、広島)において多角的な面から日本の文化に触れ、理解を深めた。
- 特に、ホームステイにおいては、実際に日本の一般家庭において日本人の日常生活を体験することができ、被招聘者から非常に貴重な経験になったとのコメントがある等、被招聘者は我が国に対し好印象を持つこととなった。
(2)被招聘者
(イ)中南米諸国より17名
ブラジル、アルゼンチン、ペルー、チリ、ウルグアイ、パラグアイ、ボリビア、メキシコ、キューバ、コスタリカ、パナマ、ベネズエラ、コロンビア、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、ニカラグア
(ロ)東アジア(及び大洋州)諸国より13名
韓国、中国、豪州、ニュージーランド、ASEAN諸国(タイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシア、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、ラオス)
2.今次研修の評価
(1)中小企業育成促進セミナー、関連機関訪問
セミナーでは、各グループよりそれぞれの討議を踏まえたレポートが提出され、10分程度のプレゼンテーションを行ってグループ内での討議の結果を紹介し合った。また、それら討議の結果についてJICAから招いた中小企業関係者との意見交換を行うことにより、議論を深めた。さらに、FEALACにおいて今後取り組むべき課題として、ウェブサイトの活用、ITインフラの供給、企業教育の改善、民間セクターの強化等の提案「ヤングリーダーによる10の提案(10 Suggestions from Young Leaders)」をまとめた。本セミナーの成果は以下のとおり。
(イ) |
本プログラムは、昨年のFEALAC第2回外相会合で採択されたマニラ行動計画を構成する3つ分野の一つである「更なる経済発展に向けての両地域の経済交流の促進と貧困克服のための機会の創出」という課題への取り組みの一つとなった。また、FEALAC加盟各国の中小企業育成関係者を招聘し、中小企業育成を促進するための具体的方策を検討する自由な討議の場を提供したことで、参加者間の相互理解が深まった。 |
(ロ) |
2004年9月の中南米訪問時に小泉総理が表明した「日・中南米 新パートナーシップ構想」において、今後日本はFEALACにおいて主導的役割を担う旨明らかにしたが、本プログラムは右構想表明後初めての日本のイニシアティブによるプロジェクトとなった。特に、今後のFEALAC・SOM等において結果を報告することにより、我が国がFEALACにおけるプレゼンスを維持・拡大し、イニシアティヴを発揮するための手段として活用できる。 |
(ハ) |
今後も本プログラムを継続していくことにより、両地域の青年が定期的に集まる唯一の機会を提供し、我が国の対アジア太平洋・中南米地域外交の展開に寄与することが期待される。 |
(2)その他
両地域からの被招聘者は、歴史、生活習慣、文化等の違いを乗り越え、被招聘者間の個人的友好関係を深めることができた。
また、我が国としても、このような地域交流の強化の場を積極的に提供することは当該地域における日本の地位向上にとり極めて有意義であるとともに、被招聘者は今次研修を通じて我が国の歴史、文化、伝統等への関心を深めており、将来我が国との交流を促進する役割も期待される。
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