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オープニング・セレモニー(12日午前)
バハレーン政府閣僚(ガッファール外務担当国務相、ハマル情報相、ジャウダル公共事業相、カマールッディーン国務相)、有識者、メディア関係者等約100名が出席して開催された。ガッファール外務担当国務相より、文明間対話の意義についてスピーチが行われた後、小野在バハレーン大使より川口大臣よりのメッセージが代読された(大臣メッセージ)。最後にファハロ・バハレーン調査研究センター所長より、本件セミナーの性格及び意義、そしてそれが受け持つ使命の重要性、特に本件対話が今後永遠に続く対話の始まりである旨スピーチがなされた。
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個別セッション(12日午後・13日午前・午後)
「イスラムとグローバリゼーション」、「イスラムと国際関係」、「イスラム・アラブ諸国と日本:共存と相互作用」の3つのテーマの下で、3回のセッションを実施した(なお、個別セッションは、参加者が忌憚のない意見交換を行えるよう、非公開の形式で行われた)。参加者は3班に分かれて意見交換を行った。また、セミナーを通じて参加者全員が意見交換を行えるよう、各テーマ毎にメンバーが入れ替わって実施された。
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最終セッション(13日夕)
全参加者出席の下、3人のラポラトゥールによる各議題毎の論点が以下のとおり報告された後、自由討論が行われた。
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第一セッション「イスラムとグローバリゼーション」においては、イスラムを正しく理解してもらうためには、イスラム諸国はイスラムに対する現在の偏った認識を改めてもらう努力をする必要がある旨、またイスラム側が寛容と博愛の精神に基づき他文明との結びつきを強めることが重要である旨議論がなされた。他方、グローバリゼーションは政治・経済・技術等諸分野におけるアメリカ化という面が強く、公正と平等の原則に則った普遍性のあるグローバリゼーションが進展していくことが重要である旨の指摘がなされた。 |
(ロ) |
第二セッション「イスラムと国際関係」においては、イスラム教の説く人間の美徳が実際に実施されていないとの問題提起がなされると共に、人間の尊厳が世界各地で尊重されることの重要性等につき議論がなされた。また、イスラム教徒によるテロについて、一部のイスラム教徒が行った行為をイスラム教徒全体の責任に与することは公正ではないし、テロは他宗教、他国の中でも起きている問題である旨の指摘がなされた。 |
(ハ) |
第三セッション「イスラム・アラブ諸国と日本:共存と相互作用」においては、日本の成功の経験に学びたいとの要望が多く出されると共に、日本の成功について理解することは容易ではない、日本とイスラムとの対話促進のためには各分野に亘る重層的な関係の構築、双方の文化の理解等が重要であり、双方の文献の翻訳作業も重要である旨の提案がなされた。 |
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今後の予定
最終セッション末尾に、以下が決定された。
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本件対話の運営をフォローする運営委員会の設置が提案され、日本、バハレーン、イラン、アラブ連盟の代表により構成されることで了承された。 |
(ロ) |
次期会合がおおよそ1年以内に日本で開催され、3回目の会合はイランでの開催を希望することが参加者の総意として決定され、今後その実現に向けフォローアップすることが決定された。 |
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