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第11回日EU定期首脳協議
(概要と評価)

平成14年7月8日

1.概要

(1) 小泉総理は、8日(月)、東京(総理官邸)において、EU(欧州連合)議長国であるデンマークのラスムセン首相欧州委員会のプローディ委員長との間で、第11回日EU定期首脳協議(ワーキング・ランチを含む。(注))を行った。
 協議には、我が方より、川口外務大臣、平沼経済産業大臣、上野内閣官房副長官他が、EU側より、リーカネン企業・情報社会担当欧州委員、ラミー貿易担当欧州委員他が同席した。

(注) 日・EU関係の強化を目的として1991年の日・EC共同宣言において年一回の開催につき合意されたものであり、日本、欧州交互に開催。前回は2001年12月にベルギー(EU議長国(当時))のブラッセルにおいて開催。


(2) 今回の定期首脳協議では、2001年12月に発表した「日EU協力のための行動計画」の着実な実施と発展を通じて、日EU間の戦略的なパートナーシップを強化していくことを確認した。また、双方が関心を有する現下の国際情勢(テロ対策、中東、ロシア、アフガニスタン、北朝鮮等)国際的な課題(ヨハネスブルグ・サミット、気候変動、WTO新ラウンド推進、ASEMに向けた取組等)について幅広く意見交換を行った。

(3) なお、協議終了後には、共同記者会見が開催され、日EU首脳より、日EU関係の緊密化を広く対外的にアピールした(発表された共同プレス・ステートメント概要を別添)。


2.議論の要旨

(1) 日EU関係

 2001年12月の定期首脳協議で採択した「日EU協力のための行動計画」を着実に実施・発展させ、日EU間に更なる戦略的なパートナーシップを構築していくことを確認した(具体的には、行動計画のフォローアップのため新たに運営グループを設置。)。
 なお、今回の協議に先立ち、日欧ビジネス対話の枠組みである日EUビジネス・ダイアログ・ラウンドテーブル(BDRT)の日EU双方議長より日EU首脳に対し提言が提出され、両首脳より日EU経済関係の将来像の探求が奨励された。

(2) テロ対策

 日EU間で協力関係が構築されてきていることを評価するとともに、日EUテロ対策担当大使間の協議の開催を含め、引き続き日EU協力を進めていくことを確認した。

(3) 国際情勢

(イ) 中東、ロシア、アフガニスタン、北朝鮮、インド・パキスタン等の幅広い地域情勢について意見交換を行った。

(ロ) 特に、中東については、国際社会として中東和平プロセスを促進していくこと、国際会議の早期開催に向けて取り組むことが重要である点で認識が一致した。また、アフガニスタンについては、カディール副大統領の暗殺について言及し、復興、国造りの前にまず国内の治安の確保が重要であることを確認した。


(4) ヨハネスブルグ・サミット及び気候変動への対処

(イ) ヨハネスブルグ・サミットの成功に向けて日EU間で協力するとともに、ムベキ南ア大統領を支持していくことを確認した。総理よりは、同サミットは何よりも具体的な行動を指向すべきものであるべき旨述べた。
(ロ) 気候変動への対処については、同問題に対する実効的な行動を確保するため、京都議定書の早期発効を目指して他国に締結を働きかけていくこと、また、全ての国の参加を追求していくことを確認した。


(5) WTO、ASEM等

(イ) WTOの強化のため緊密に協力していくこと、新ラウンド推進のため、日EUが協力して交渉を加速していくことで認識が一致した。米国の鉄鋼セーフガードについて、保護主義的な措置であり新ラウンドの推進にも悪影響を与えるものとして懸念を表明するとともに、日EU間で引き続き協力していくことを確認した。
(ロ) また、9月のASEM首脳会合の成功に向けて協力していくこと、日本がアジア側調整国に就任することから、ASEMの枠組でもEUと協力していくことを確認した。


(6) 文化等

 2005年を「日EU市民交流年」とするよう協力していくことを宣言するとともに、2002年後半に東京で開催予定の人的・文化的交流促進に関するシンポジウムに向け協力していくことを確認した。


3.評価

(1) 今回の協議は、前回(2001年12月)の首脳協議から僅か7ヶ月で開催されたが、こうした短い期間にも、4月のプローディ欧州委員会委員長の来日、G8カナナスキス・サミット等、日EU首脳が直接顔を合わせて協議を行う機会が頻繁に持たれており、日EU間の対話はかつてないほど緊密化している。

(2) 特に今回、EU議長国デンマークのラスムセン首相が、7月1日の議長国就任直後に日本を訪問して定期首脳協議を開催したことは、日EU関係強化に向けての意気込みの表れとして評価できる。

(3) 2001年12月に発表した「日EU協力のための行動計画」について、過去7ヶ月の間に多くの事項が着実に実施されていることが確認され、フォローアップのための仕組み(運営グループ)が作られるとともに、2003年の首脳協議に向けての新たな重点事項も決定された(詳細は別添参照)。これらは、日EU関係が行動志向の新段階に入っていることを裏付けるものであり、また、こうした作業は、2001年開始した「日欧協力の10年」の下、日EU間に更なる戦略的なパートナーシップを構築していく上で重要なステップである。

(4) また、今回、中東、アフガニスタン、北朝鮮等国際情勢が変動する中で、また、ヨハネスブルグ・サミット、WTO閣僚会議、ASEM首脳会合を控えて、タイミング良く日EU首脳が共同で共通の立場をアピールできたことは、国際社会における日EU関係の存在感を示す上で極めて有意義であったと考えられる。

(5) さらに、日EU経済関係の将来像の探求がBDRTに対し奨励されたことは、日欧のビジネス界に将来志向の取組を促す上で有意義であった。


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