2005年は、日・EU市民交流年を通じ、日英間においても大いに交流が進んだ一年でした。英国では、1981年の「大江戸展」以降、1991年の「ジャパン・フェスティバル」、2001年の「Japan2001」と10年毎に大型文化行事が開催されました。特に「Japan2001」では、一般市民が参加し体験できる市民交流型行事が、英国全土で数多く開催されましたが、今次交流年はその流れを受け継ぎ、各地での様々な日本関連イベントを通じた市民交流が行われました。
2004年7月、日英の15団体が参加する国内実行委員会を立ち上げ、交流年の実施体制を整えるとともに、一般の方・グループによるイベント実施を幅広く呼びかけました。この結果、英国内では219件の行事が実施され、うち7割が草の根的事業であり、また、ロンドン以外で実施された事業が全体の3分の2を占めました。イベント内容も、歌舞伎や日本舞踊などの伝統芸能からポップミュージック、映画会、文学講演、日本食、漫画・アニメ、ビジネスセミナー、日本語スピーチコンテスト、学校交流、スポーツ交流など多岐に及びました。このように、英国内各地で交流年を通じ、日英及び日EU間の交流が市民レベルで幅広い分野にわたり行われました。
日英交流の歴史は、約400年前に英国人航海士ウィリアム・アダムスが来日し、徳川家康に仕えた時代まで遡ることができますが、日・EU市民交流年は日英の文化や人的交流に更なる大きな弾みを与えました。今次交流年で拡がったネットワークが、今後の長期的な交流拡大に繋がっていくことが大いに期待されます。 |