オランダでは、2月にアムステルダムのゴッホ美術館でオープニングを迎えました。ゴッホの作風に浮世絵が与えた影響を取り上げたレクチャーと茶会による「日本の夕べ」は多くの来場者を集めました。3月には、長崎出島商館付医師として江戸時代の日本に滞在し、当時のヨーロッパに日本の姿を知らしめたドイツ人シーボルトの記念館「シーボルトハウス」の開館記念式典、オランダ最古の名門ライデン大学日本講座150周年記念行事がライデンで同時開催され、オランダと日本の長い交流の歴史を広く印象づけました。
自治体でも日本をクローズアップしたイベントが開催され、草の根交流を大いに盛り上げました。4月にアムステルフェーンで行われた「桜祭り」では、日蘭友好400周年を迎えた2000年に日本人女性の会から寄贈された桜が満開となり、邦楽演奏や合唱による交流が行われました。9月にアルメーレで開かれた「ジャパンウィーク」では、相撲、日本食、着物ファッションショー、マンガ喫茶、アニメ映画上映など、幅広い人々が現代日本文化をさまざまな角度から体験しました。
11月、アムステルダム西教会において、日本の伝統音楽と西洋音楽を融合する試みとして北野台雅楽研究会による雅楽公演とヨーロッパ有数のロマンティックオルガンによる日本歌曲の演奏会がクロージングイベントとして開催されました。デンハーグのメスダク美術館で開催された日本伝統陶芸展は年末まで開かれ、同時開催の浮世絵展とともにオランダのメディアの注目を集め、日本の伝統文化に対するオランダの興味の深さを実感させるとともに、実質的に市民交流年を締めくくるイベントとなりました。 |