リトアニアでは、能公演(7月)を初めとして、日・EU市民交流年記念コンサート(3月)、巨匠映画祭(5月)、生け花デモンストレーション(9月)、染色デモンストレーション(9月)、日本芸術祭(10月)等、様々な行事が行われましたが、最も地道な事業であった「東海道五十三次展」が日・EU市民交流年を象徴する事業でありました。
1月24日に日・EU市民交流年オープニングとしてマジュビダス国立図書館で「東海道五十三次展」開会式を行った後、丸1年間かけて全国16都市の公立図書館を巡回しました。展示品の移動は各図書館が前開催地へ取りに行くという形をとり、全図書館からの協力を得て、首都ヴィルニュスから最終地のウクメルゲまで何の事故もなく、まさにリトアニアを一周する道が繋がりました。同展覧会には全国で延べ3万人の来訪者があり、これはリトアニアの人口の約1%でした。
各地での同展覧会開会式には在リトアニア日本国大使館から館員が出向き、茶道や書道など簡単ではあるが日本の文化紹介を可能な限り行い、各地の市民と直接触れ合う機会を持つことができました。地方都市では日本文化行事がほとんど行われていませんが、日本に対する関心は高く、このような小規模な行事でも必ずマスコミで取り上げられ高く評価されました。小さい都市では、図書館のみならず、市役所、博物館、学校なども含め、町を挙げて当館の一行を歓迎する雰囲気も感じられるなど、その都市ごとに特徴があり、首都で行われる大規模行事とは異なる交流の場を得ることができました。各都市とも今般の展覧会に留まらず、今後も地方での文化事業を継続するよう強く要望していました。
在リトアニア日本国大使館としては、リトアニア国民にもっと日本を知ってもらえるよう、今後とも地方での文化行事を積極的に行いたいと考えています。 |