2005年日・EU市民交流年は、2004年ギリシャにおいてアテネオリンピックの機会を捉えて実施された国際的文化交流行事「文化オリンピアード」で興隆した日本・ギリシャの文化交流のモメンタムを更に発展させるものとなりました。
市民交流年で行われた多彩な行事は、生け花、書道、琵琶、沖縄芸能、太鼓公演等の我が国の伝統文化から漫画作成、アニメーション映画上映、舞踏公演、現代美術展示等の現代文化まで30近い分野に及びました。実施形態も公演形式、ワークショップ形式、講演形式、デモンストレーション形式等々様々なバリエーションが見られました。同時に同じ演劇公演であっても、例えば三島由紀夫の「近代能楽集」を翻案・舞台化したものもあれば、ギリシャ神話のアポロンと我が国の天照大神を同じ太陽神として表現した創作舞踊劇もあり、そのような表現方法の違いもギリシャにおける日・EU交流年の色合いを豊かにするものでした。また、国際問題を考える学生協会による討論会「21世紀における日・EU関係」やEU日立科学技術フォーラム、日本文化シンポジウムのような学術・教育・科学分野においても有意義な事業が行われました。
日・EU市民交流年の締めくくり事業として、12月に「JAPAN EXTRAVAGANZA」が開催されました。日本の新世代アーティスト展、「AKIRA」「ハウルの動く城」など日本の代表的アニメーション映画上映会、邦人漫画家による漫画作成デモンストレーション、書道、折り紙、着物の展示等複合的な日本文化紹介を実施し、マスコミにも大きく取り上げられました。11月に行われたカラマンリス・ギリシャ首相と小泉総理との会談(於東京)で、両首脳は文化・学術交流の促進を表明されており、両国の交流は日・EU市民交流年を経て一層の発展を遂げようとしています。 |