2005年は、「日・EU市民交流年」であると同時に、ドイツ政府の主導による「日本におけるドイツ年」(2005年4月~2006年3月)にも重なりました。この二つの大きな事業が相乗効果をなし、ドイツにおいても、日本とドイツの文化に大きな注目が集まりました。
ドイツにおける「日・EU市民交流年」は、「坂本一成建築展」(ミュンヘン)から始まりました。バイエルン州立美術館で開催された同展覧会には、学生を中心に連日多くの観客が訪れました。5月のデュッセルドルフ/ノルトライン・ヴェストファーレン州日本デーでは、各種日本紹介事業が開催されるとともに、25分間に渡り多数の花火が打ち上げられ、約120万人がその華やかさに見入っていました。6月には、「八王子車人形」公演(フランクフルト)が実施され、伝統的な日本の人形芝居が大勢のドイツ人の観客を魅了しました。
後半に入ると、7月から8月にかけて「シュレスヴィッヒ=ホルシュタイン音楽祭」が開催されました。アジアで初めて日本が特集国として迎えられ、「日本-響きの島」をテーマに、約60の日本関連の演奏会が開かれました。また、この音楽祭にあわせて能楽のドイツ公演(ハンブルク、キール)が実現するなど、音楽だけではなく伝統文化も紹介する絶好の機会となりました。12月には、ベルリン芸術公社において、「日本におけるドイツ年」事業でもある日独合作演劇「四谷怪談」が上演されました。この公演は、「日・EU市民交流年」及び「日本におけるドイツ年」の双方の成果であり、2006年もドイツの他数カ国での公演が決まっています。
今後も、これらの成果を踏まえて、日独・日欧間の交流事業を推進したいと考えています。 |