国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)
第58回総会(概要)
平成14年5月24日
5月16日から22日までバンコクにて国連アジア太平洋経済社会員会(ESCAP)/第58回総会が開催されたところ、概要以下の通り。なお、日本よりは、政府首席代表として、杉浦正健外務副大臣が出席した。
1.日程
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16日(木)
~18日(土) |
高級事務レベル会合 |
20日(月) |
閣僚会合(各国首席代表による政策演説) |
21日(火) |
午前 閣僚ラウンドテーブル(非公開)●
午後 閣僚会合●
夕刻 日本政府首席代表主催レセプション●
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22日(水) |
午後 リポート(含 決議)の採択 |
●・・・杉浦副大臣が出席
2.概要
(1)高級事務レベル会合
3つの委員会に別れて、ESCAPの機構改革、予算・事業計画(含 修正案)につき検討された他、ESCAPによる貿易・投資、環境・天然資源、社会開発、運輸・通信・観光・インフラ開発、及び統計分野等における過去1年間の活動がレビューされた。
また、決議案作業部会では、日本が提案した、「アジア太平洋障害者の十年(1993~2002年)」の延長や、「十年」の成果をレビューし、今後の活動につき検討する、ESCAPのハイレベル政府間会合(10月25~28日、滋賀県大津市)の方向性等に関する決議案の他、計5つの決議案が検討された。
(2)閣僚会合
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(イ) |
首席代表演説
各国首席代表が、今次総会テーマ(「急速なグローバル化の時代における持続可能な社会開発」)に基づき政策演説を行った。同演説では主に、グローバル化のもたらす機会を最大化し、リスクを最小化する必要性が強調され、また、持続可能な社会開発のため、特に包括的な貧困削減施策の必要性が強調された。
杉浦副大臣は、首席代表演説(日本語版・英語版)にて、持続可能な社会開発に向け、「貧困削減」、「雇用拡大」、「万人による社会参加促進」及び「ITの活用」に関する日本の取り組みにつき紹介した。また、障害者による社会参加促進に関する文脈で、上記ハイレベル政府間会合への各国代表による参加を招請した。
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(ロ) |
閣僚ラウンドテーブル(非公開)
各国首席代表が、ESCAP総会をより有益なものとする方途やESCAPの機構改革に関して、意見交換を行った。
前者については、バンコク以外での総会開催(但し制度化はしない)や、演説の内容をより焦点の絞ったものとするといった点に合意が見られた。また、第60回総会(2004年)を上海に招致するという中国の決定が歓迎された。なお、杉浦副大臣は、総会をホストする際の通信事情を含むインフラ整備の必要性やNGO、青少年、メディア等による併催行事とその総会との交流の有用性等を指摘した。
後者については、キムESCAP事務局長が提案しているESCAPの重点事業とそれに基づく新たな会議構造案が支持された。
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(ハ) |
決議案の採択
日本提案の「アジア太平洋障害者の十年」関連決議案の他計5本の決議案が採択された。なお、右決議に関しては、日本の他、中国・韓国を含む計29カ国が共同提案国となった。
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(ニ) |
次回総会のテーマ
検討の結果、次回総会のテーマは、「地域のニーズに見合う、特にHIV/エイズ問題といった、経済問題と社会問題の統合」(Integrating economic and social concerns, especially HIV/AIDS, in meeting the needs of the region)」となった。
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