外務省 English リンクページ よくある質問集 検索 サイトマップ
外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
トップページ 各国・地域情勢 アジア
アジア
世界地図
アジア 北米 中南米 欧州(NIS諸国を含む) 大洋州 中東 アフリカ


日中間で見解の相違がある事実関係

平成14年5月17日

(注)日本側主張は5月13日発表「瀋陽総領事館事件・調査結果発表」、中国側主張は14日の外交部報道官発表による。

1.総領事館入口内で女性2名、幼児1名が取り押さえられた際の状況

中 国 側 日 本 側
○武装警察分隊の大隊長らがすぐに査証窓口に駆けつけ、この際、日本領事館の宮下謙副領事は3名の中国職員を連れて現場に現れた。当時宮下副領事はビザの手続に来たと考えたが、武装警察は彼らはビザの手続に来たのではない、身分証明証もなしに中に駆け込もうとし、2名はすでに入ってしまった旨を彼に告げた。  ●午後2時5分頃、査証担当副領事、中国人男性職員2名、電気工1名の計4名が正門付近に到達した。副領事は、武装警察官詰所前に移動し、武装警察官の一人に対して自分の身分を明らかにした上で、これらの女性が査証申請人であれば事情を聴取したいと申し入れたが、同警察官からは返答がなかった。続いて顔見知りの武装警察大隊長が正門前に到着したため、改めて同様の趣旨を申し入れたところ、大隊長は査証申請人ではないとだけ答えた。                           


2.総領事館査証待合室に入り込んだ男性2名が取り押さえられた際の状況

中 国 側 日 本 側
○この際、大隊長は、「館内に入り、駆け込んだ2名を連行しても良いか」と尋ねた。宮下副領事はうなずき、手招きし、日本語を一言話し、その場で通訳を経て告げた。この日本語の意味は「入って彼らを連行しても良い」ということだった。言い終わると、宮下副領事は中へ移動し、中国側の武装警察大隊長は4名の部下を連れてついていった。 ●武装警察詰所前にいた査証担当副領事は、現場にいた武装警察官から総領事館構内に2人いるとの声が、また、北朝鮮人であるとの声がおそらく周囲の人だかりの中から聞こえたため、副領事は、ここで初めて総領事館内に2名がいる可能性があること、その者たちが北朝鮮出身者の可能性があることを認識し、急遽、総領事館事務所に駆け戻った。その直後、5、6名の武装警察官が、総領事館敷地内に日本側の同意を得ることなく立ち入り、同じく総領事館事務所方向に向かった。副領事は、武装警察官が背後から総領事館敷地内に入ってきたことに気づいていなかった。                          
○総領事館査証待合室において、宮下副領事は2名がソファーに座っているのを見て、警備員にどうしたのか、と尋ねた。警備員は朝鮮人だろう、と答えた。中国側の大隊長は2名の前へ行き、彼らに「何しにきたのか」と尋ねた。2名からは如何なる答えもなかった。中国側の警官は宮下副領事に「この2名を連行しても良いか」と尋ねた。宮下副領事はお辞儀し、うなずき同意し、中国語で「良い」と答えた。そして中国の武装警察官は2名の男性を連行し、中国側の武装警察詰所に連れていった。この際、宮下副領事はずっと後ろについており、ずっと電話しており、大体15分の時間を要した。  ●副領事は、総領事館正面玄関から中に入り、玄関ホール左手の査証待合室に入って直ぐのところで2名の男性が長椅子に座っているのを確認した。その瞬間、5、6名の武装警察官が副領事の横をすり抜け、2名の男性を後ろ手に押さえ、連行していった。2名の男性は、武装警察官に拘束される際、抵抗したり、暴れたりはしておらず、また、男性のうち1名は自ら行くと中国語で述べた。武装警察官は、副領事が言葉を発する間もなく、総領事館正門外へ男性2名を連行し、正門脇の武装警察官詰所に押し込めた。                           


3.関係者5名が連行された際の状況

中 国 側 日 本 側
○この時、馬木秀志副領事が武装警察詰所にやってきて、彼らにどこから来たのか、と中国語で尋ねた。この時ずっと中国語の回答が無かった5名のうち1名が中国語で「北朝鮮人であり、家族である」と述べた。その際、馬木に手紙を一通手渡した。馬木は手紙を読み、その手紙をこの男性に返した。この時、中国側の武装警察は110番通報を行い、馬木副領事は電話をかけ始めた。 ●午後2時30分頃、総領事館からの連絡を受け外出先より戻った警備担当副領事が、武装警察詰所内に入り、男性2名、幼児を含む女性3名がいるのを確認した。同副領事が、中国語で国籍とどこから来たのかを尋ねたところ、男性の内の1名が、中国語で北朝鮮と答えた。そこで、5名の関係を質問したところ、同じ男性が、他の4名は自分の弟、妻、娘、母親であると紹介した。同副領事は、総領事に携帯電話でその旨報告し、今後の対応につき指示を仰いだ。
○約5分後、中国側の110番警察のパトカーが到着し、馬木副領事は少し待つように言い、再度電話をかけた ●午後2時50分頃、瀋陽市公安局の警察車両1台が到着し、武装警察詰所の前に横付けされた。その後、武装警察官が5名の両脇を抱えるようにして詰所から出てきそうになったため、警備担当副領事は、待つように中国語で何回も繰り返し、両手を大きく広げて入口をふさぐことにより、身振りで彼らの動きを制止し、詰所内部に押し戻した。その後、武装警察官が再度5名を詰所から出そうとしたため、警備担当副領事は、再び待つように中国語で言った。
○しばらくして、中国側の110番パトカーが彼らを連行しようとした。また、しばらくして、馬木副領事は彼らを連れていって良いと述べた。この際、馬木副領事は我が方官憲にお辞儀をし、中国で何度も「ありがとう、ありがとう」と述べた 警備担当副領事は、中国大使館公使、総領事の電話による指示を受け、広げていた両手を下ろし、武装警察詰所入口をふさぐ形になっていた体の向きを変えた。この後、午後3時過ぎ、5名は横付けされていた警察車両に乗せられ、現場を去って行った。その際、総領事館員が武装警察官に対して、感謝の意を表明した事実はない


目次
外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
外務省