1. |
すべてのASEM参加国は、ASEMの日常的な運営及び情報システムを強化すべきことに合意する。2003年11月のローマでの高級実務者会合では、完全な事務局の設置を提案したASEM参加国もあれば、規模の小さな事務局の設置を示唆した国、単にASEM情報ボードの設置を提案した国もあった(後者の考え方は、フィリピンが提案したイニシアチブを更に発展させたものである。)。様々なASEM参加国が、ASEMプロセスの過度な機構化と予想される費用について疑問を呈した。
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2. |
ASEM参加国は、「情報ボード」という考え方を更に発展させることに合意し、ASEM情報ボードの設置を提案する。
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3. |
ASEM情報ボードは以下の機能を有すべきである。
(a) |
情報集積機能
ASEMの活動に関する情報を集約し、誰でも(政府職員のみならず一般人も)情報にアクセスできるようにする。細目例は以下のとおり。
- ASEMの概略
- ASEM行事の日程表
- 首脳会合、閣僚会合、イニシアチブ等の発出文書
- ASEMイニシアチブの情報
a)実施前:プログラム案、概略等
b)実施後:概要、議長声明等の関係文書
- 各ASEM参加国とASEM行事に関する連絡先
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(b) |
受取機能
「情報受付窓口」を設置し、
- (政府の要請を受けて)更新されるべき情報を受け取る。
- 個別行事に関する照会を受け付け、それらを主催国に転送する。
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(c) |
情報提供機能
ウェブサイトを通じて最新情報の普及を行う。また/もしくは、メール・マガジンの形式で定期的(例:1週間に1度)に情報を送付する。メール・マガジンの登録は、ASEM情報ボードを通じて常に行うことができる。想定される受取人は以下のとおり。
- 政府職員(ASEM参加国及び将来のASEM新規参加候補国)
- ASEMイニシアチブへの参加者
- その他(研究者、報道機関、関心を有する市民社会(経済界、NGO等))
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4. |
ASEM情報ボードは、当面はASEFによるパイロット事業として設置・運営される。ASEFは、アジアと欧州のシンクタンク、国民及び文化団体の間の交流を促進するために設置された。ASEFは、アジアと欧州の交流を促進するために様々な活動を成功裏に実施してきたが、ASEFの活動の参加者の間でさえ、ASEMやASEMの枠組みの下での活動に対して十分な理解がないようである。ASEMの下での活動やASEM参加国の見解を知ることによって、ASEFの下での交流は価値を高めることができる。パイロット事業であるASEM情報ボードは、ASEFへの自発的拠出を通じて資金手当されるべきであり、ASEM各国との緊密な調整によりASEFにより運営されるべきである。長期的な資金調達に関しても任意の拠出によりまかなわれる。
ASEFが長期的にASEM情報ボードの機能を管理するASEFの役割は見直されることとなる。ASEFは、ASEF自身で、または民間企業かシンクタンクに業務を委託して、あるいは、双方の共同事業の形式で、この任務を果たすことができる。
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5. |
「一般情報と透明性の機能」はASEM情報ボードによって実行することができるが、ASEM参加国間の公式または内々の調整は、従来通り電子メールとファクシミリを用いて、コンタクト・ポイントを通じて続けられる。
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