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ASEM第5回外相会合
議長声明仮訳


2003年7月24日


  1. 第5回ASEM(アジア欧州会合)外相会合はインドネシアのバリにおいて、2003年7月23日から24日に開催され、メガワティ・インドネシア大統領により正式に開会された。

  2. 会合には、アジア側10か国及び欧州15カ国の外相並びに対外関係担当欧州委員会委員及び欧州理事会の代表が出席した。ハッサン・ウィラユダ・インドネシア外務大臣が議長を務めた。

  3. 本会合は、今日の世界が中東、朝鮮半島及びイラクの戦後状況といった緊張が高まっている地域に示される数多くの重要な変化に直面している、適切な時機をとらえて開催された。他に、EU拡大及び欧州のコンベンションのとりまとめに向けての決定的な段階、また最近のSARS感染の影響等も含まれる。

  4. 外相は、これまでのASEM首脳会合を通じて設定され、アジア欧州協力枠組み2000(AECF2000)に記されている原則に従い、共通の利益に関する幅広い事項につき、包括的かつ有意義な議論を行った。

  5. 外相は、ジャカルタ(2003年5月12-13日)及びバリ(2003年7月22-23日)にて開催された高級実務者会合(SOM)により提出された以下の勧告を承認した。

    • 既存の協議機能の強化を通じ、重要な国際問題に関するASEM参加国間の政治的対話をより活発にすること。外相は、ASEM高級実務者会合及び調整国並びにコンタクト・ポイントがASEM運営プロセスにおいて中心的役割を今後も果たすことにつき合意した。外相はまた、ASEM参加国のニューヨーク駐在の国連代表間でのものを含む協議をコンセンサスにより特定の問題につきアド・ホックで行うことで基本的に合意した。

    • アジア欧州財団(ASEF)に対し、更なる費用対効果分析及びASEFの長期的財政安定に向けた経営方策を提出するよう要請し、SOMに対しハノイ・サミットにおける採択のために本件につき引き続き検討を行う権限を与えること。

    • ASEMプロセスにおける社会の様々なセクターの関与について、外相は2002年4月のランサローテSOMの勧告に基づく第4回外相会合の決定に言及した。すなわち、ホスト国はASEMの公式行事のマージンにおいて、その裁量でビジネス界、シンクタンク、学会その他の社会セクターとの活動を組織することができる。

    • 将来のASEMにおける協力に資するよう、ASEM情報ボード・フェーズ2につきSOMにさらに検討させること。

    • 2003年10月に北京において緊急公衆衛生管理に関するセミナーを開催すること。


  6. 外相は、より緊密な経済パートナーシップに関するタスク・フォースの中間報告を関心をもって留意し、タスクフォースに対し、実質的作業を促進し、第5回首脳会合での検討及び適切な追加的措置の採択のために、最終的かつ包括的な報告書を同会合に提出することを要請した。

  7. 外相は、下記の共通の関心事項に関する意見交換を行った。:新たな国際情勢、イラクの戦後復興、中東和平プロセス、朝鮮半島情勢、テロ対策、アジアと欧州の新たな発展、SARS/感染症及び持続可能な開発。

    • 新たな国際情勢について、外相は、国際関係における多国間のアプローチ及び国連憲章を含む国際法の原則を厳格に遵守することの重要性に対する支持を再確認した。右に関し外相は、平和と安全保障と国際協力の強化における国連の主要な役割を強調した。外相は、また、ミャンマーにおける最近、特に5月30日の事件以降の政治状況について議論した。外相は、事件後にとられた措置が一時的なものであるとのミャンマー政府の保証を想起し、ミャンマー政府に対し、アウン・サン・スー・チー女史及びNLDのメンバーを即時に解放し、政治活動の自由を保証するよう呼びかけた。外相は、ミャンマーに対し、国内の和解及び民主主義に向けた努力を再開するよう求めた。外相は、ラザリ国連事務総長特使の努力を引き続き支持することを再確認した。

    • イラクの戦後復興に関し、外相は、イラクの復興と発展においてイラク国民の希望に合致した形で国連が主要な役割を担うことに対する支持を再確認した。外相はまた、イラクにおいて常態、法と秩序を早急に回復し維持する必要性に大きな重要性を付与した。外相は、このプロセスにおける国際社会、特にASEM参加国の積極的な役割、貢献及び関与に留意した。

    • 外相は、最近の中東和平プロセスの進展を歓迎した。外相は、恒久的かつ包括的な解決はイスラエルと独立し、民主的・永続的なパレスチナ国家が安全、かつ、承認された国境の中で隣り合って平和に共存する、二つの国家を樹立するという解決を通してのみ達成されることを強調した。したがって、外相は、紛争の平和的・包括的・恒久的解決を逸脱させる恐れのあるいかなる措置も取らないよう全ての当事者に促した。

    • 朝鮮半島情勢に関し、外相は、朝鮮半島の非核化及び対話と交渉による朝鮮民主主義人民共和国の核問題の平和的解決が地域内外の平和と安定に寄与することを確信した。外相は、朝鮮民主主義人民共和国に対しIAEAとの協力を再開するよう、及び、NPTからの脱退の決定を取り消し、いかなる核兵器の計画も早急にかつ検証可能な方法で放棄するよう求めた。

    • 外相は、2003年4月に北京で開催された協議を問題の包括的解決に向けた貴重な第一歩として歓迎し、適切な枠組みで対話のモメンタムが維持されることを求めた。また、外相は、問題の外交的、平和的解決を見出す上でのアジアと欧州のパートナーの貢献の重要性に留意した。外相は、朝鮮半島の緊張を緩和するための大韓民国の努力に支持を表明し、大韓民国及び朝鮮民主主義人民共和国との間で今後も対話と交流が継続されるよう激励した。また、外相は、未解決の安全保障及び人道問題が対話を強化することを通じて解決されるべきであるとの見解を有した。

    • 大量破壊兵器の不拡散に関し、外相は、意見交換の結果、別添の大量破壊兵器及びその運搬手段の拡散の防止に関する政治宣言を発出することに合意した。

    • テロ対策に関し、外相は、テロリズムとの闘いに関するASEMの協力に満足をもって留意した。外相は、ASEM、ASEANおよびASEAN地域フォーラムの枠内で、有益、実質的な協力を促進するための措置として、東南アジア地域反テロリズム・センターのクアラルンプールにおける設置を含め、地域協力が強化されたことを歓迎した。2002年9月の国際テロリズムに関する協力のためのASEMコペンハーゲン宣言の採択以降、ASEM参加国はテロリズムに対処するための努力を更に強化してきた。しかし、2002年10月のバリ島における爆弾テロ事件の発生が示すとおり、国際テロリズムの脅威は依然として世界規模で存在しており、外相は、人権を尊重しつつ、テロリストに安住の地を与えないため、テロリズムと闘う能力を向上することが重要であることを強調した。よって、様々な分野において支援を必要としている国々を積極的に支持することが必要である。これに関し、外相は、協力を強化する重要な機会を提供するものとして、2003年9月に中国で開催されるASEMテロ対策セミナー及び2004年1月に開催される国際組織犯罪に関する第4回ASEAN閣僚会合を歓迎した。

    • アジアと欧州の新たな発展に関し、外相はEU拡大及び最近完結したコンベンションのあり方を含むEUの外交政策の本質の変化について議論した。外相は、対外関係担当欧州委員会委員による「東南アジアとの新たなパートナーシップ」に関する報告に留意した。外相は、アジアにおける経済統合の最近の傾向について意見交換を行い、相互の利益のためアジア欧州間の地域間関係の強化に向けての共同の努力を継続することで合意した。また、外相はタイのチェンマイで2003年6月21日から22日に開催されたアジア協力対話(ACD)第2回閣僚会合の結果に留意した。外相は、アジア債券基金の創設を、地域的債券市場の将来の方向性を示すガイドラインとしての「アジア債券市場育成に関するチェンマイ宣言」の採択とともに歓迎した。

    • SARS及び感染症に関し、外相はSARSとの戦いが成功したことを歓迎した。外相は、肯定的な展開を認めつつも、SARSとその他の感染症との戦いはまだ終結しておらず残っていると見なした。外相は、ASEAN+3各国の共同の努力及び約束を歓迎し、ASEM各国がSARS病原菌の管理及び隔離のために連帯し、協力したことに感謝した。そのため外相は、ASEMパートナー各国が疾病とたたかうためにさらに協力していくよう促した。この文脈において外相は、緊急公衆衛生管理に関するセミナーを開催するという中国のイニシアティブを歓迎した。また、外相は、2003年の年末までにベトナムで開催される国際サーズ会議及び2004年7月にタイで開催される第15回国際エイズ会議を歓迎した。

    • 持続可能な開発に関し、外相は、2002年にヨハネスブルグで開催された、持続可能な開発に関する世界サミットにおける約束を再確認し、ASEM各国間での協力及びパートナーシップの強化を通じて、ヨハネスブルグ計画の実施で設定された目標を達成することを確約した。この観点から、外相は、生物多様性条約第7回締約国会議及び2004年2月のクアラルンプールにおける生物多様性条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書第1回締約国会議の成功裡の成果の重要性を強調した。また、外相は、ドーハ開発アジェンダの交渉の成功を確保するため、2003年9月にメキシコのカンクンで開催される第5回WTO閣僚会議のためになされた準備に留意した。


  8. 外相は、ASEMへの参加、特にASEANの3カ国、すなわちカンボジア、ラオス及びミャンマーの参加について意見交換を行った。また、外相は、欧州連合に新規加盟する国の関心を歓迎した。外相は、第4回外相会合の結果及びその後の進展を踏まえ、首脳に対し、2004年にハノイで開催される第5回首脳会合でこの問題をとりあげることを勧告することに合意した。

     現在及び将来のASEMプロセスを考慮し、外相は、より実体的なパートナーシップを確保するため、高級実務者に対し、ASEMプロセスのより効率的、効果的かつ簡素化された作業方法に関して、手法及び手段を検討し、第5回首脳会合で承認されるよう第6回外相会合に提言をするよう指示した。この観点から、中間的なブレインストーミング会合が2003年末までに開催される。イタリアがこの会合をホストする旨述べた。

  9. 外相は他の3つの新たなイニシアティブ、すなわちフィリピンの「ASEM海洋イニシアティブ」、オーストリアの「人権教育、人権理解のためのマニュアル」及び韓国の「ASEM・鉄のシルクロードに関するシンポジウム」に留意した。これらについては、各国はいまだに国内の関係省庁と協議していることから、外相は次回SOMまでに各国の反応を提出することで合意した。また、外相は、グローバリゼーションの文脈で文化と文明及び文化的多様性に関する対話を継続することで合意した。外相は、ASEM文化と文明に関する会議が2003年12月に中国で開催されることを歓迎した。外相は、文化的多様性についての協議を勧めるユネスコのイニシアティブを支持した。また外相は、ASEM-DUOフェローシッププログラムが成功裡に実施されたことに留意し、本プロジェクトに対しASEM各国がさらに参加するよう促した。また、外相は、2004年10月にタイで開催される初めてのASEM青年大会に留意した。本イニシアティブは、人的交流を育み、二つの地域間の相互の自覚及び理解を高めるものである。

  10. 外相は、ハノイで2004年の10月8日から9日に開催される第5回首脳会合についてのベトナムの準備状況を満足して留意した。第5回首脳会合を、ASEMプロセスをより高い段階に持ち上げるための指標とするため、外相は第5回首脳会合で取り上げうる議題、すなわち「アジア欧州パートナーシップに関するさらなる再活性化及び実質化」についてブレーンストーミングセッションを行った。会合においては、第5回首脳会合へ全首脳が参加することが、ASEMでの協力についての各国の高い約束を反映することから重要であると確認した。外相は、この問題についてはASEM緊密な経済関係に関するタスクフォース、次回SOM、SOMTI、第6回外相会合及び第6回経済閣僚会合でさらに議論し、第5回首脳会合に向けての材料にすることで合意した。

  11. 外相は、別添2にみられるASEMロゴを承認した。

  12. 外相は、第6回外相会合を2004年4月19日から21日にアイルランドのダブリンで開催することで合意し、ハノイ・サミットの準備のためベトナムにおいてSOMを招集することで合意した。

  13. 外相は、第5回外相会合の主催国で議長を務め、同会合の目的を成功裡のうちに達成させたインドネシアに対し深い感謝の念を表した。


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