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共同議長最終文書
アフガニスタン復興支援国際会議(仮訳)
2002年1月21日~22日

  1. 1月21日及び22日、東京にて、アフガニスタン復興支援国際会議が、ハミード・カルザイ議長をはじめとするアフガニスタン暫定行政機構の代表の方々の参加を得て、閣僚級で開催された。日本、米国、EU及びサウディ・アラビアが会議の共同議長を務めた。

  2. 会議は、アフガニスタン暫定政権(AIA)が、ボン合意に従ってアフガニスタンの和解、復興及び開発のプロセスを追求するとの決意を再確認し、国際ドナー・コミュニティーが、具体的な支援を示すことによって、このプロセスに対する政治的な支持を表明する機会を提供した。

  3. 小泉総理は、会議の冒頭で発言を行った。コフィー・アナン国連事務総長も会議の開会セッションにおいて発言を行った。

  4. 61ヶ国及び21の国際機関から閣僚と代表が参加した。議論は、AIAからの情報に基づき、また、2001年11月20日にワシントンで行われた高級事務レベル会合及び同年12月20日と21日にブラッセルで行われた第一回アフガニスタン復興運営グループ(ARSG)会合の結果を踏まえて行われた。アフガニスタン及び国際NGOの会合が別途行われた。また、動員解除、軍隊・警察に対する訓練、地雷除去、麻薬対策及び代替作物の開発について専門家による議論が行われた。

  5. 会議では、具体的なコミットメント及びプレッジの表明によって、アフガニスタン復興支援に対する国際社会の強いコミットメントが示された。

  6. 会議では、ボン合意で設定された時間的枠組みを含め、ボン・プロセスを実施することの重要性が強調された。支援は、アフガニスタンにおいて平和、代議制度及び安定を構築し、テロと麻薬の生産、取引を根絶することを目的とする、ボン合意におけるプロセスと目標に対して、すべてのアフガニスタン各派が積極的に貢献することを条件として行われる。復興への取り組みを進めるにあたって、資源配分においては、アフガニスタン内の地理的バランスが十分に考慮されなければならないことが指摘された。

  7. カルザイ議長をはじめとするAIAの代表は、アフガニスタンの復興と開発に関するビジョンと政策について発表を行った。代表は、ボン合意に基づいてアフガニスタンの和解と復興のプロセスを遂行するとともに、国際ドナー・コミュニティーと緊密に協調して、これらの目標に向けて努力するとの決意を表明した。

  8. AIAは、アフガニスタンの復興にとって鍵となる優先分野を次のとおり確認した。
    (1) 行政能力の向上(特に給料の支給と政府行政機構の設立)
    (2) 教育(特に女子)
    (3) 保健・衛生
    (4) インフラ整備(特に道路、電力及び通信)
    (5) 経済システムの再建(特に通貨制度)
    (6) 農業及び地方開発(食糧安全保障、水資源管理、灌漑システムの回復を含む)

    これらの優先分野と共に、AIAは、透明性、効率及び説明責任に対するコミットメントを強調した。AIAは、成長のためのエンジンとして、民間企業家精神の伝統を復活させることの重要性を強く指摘した。また、アフガニスタンにおけるすべての分野の基礎となる地域共同体づくりの重要性が強調された。また、地雷除去、及び戦争犠牲者・身体障害者への支援の重要性が強調された。難民及び国内避難民が帰還を望むような安全かつ活動的な地域共同体なくしては、いかなる復興努力も目標を達成し得ない。

    AIAは、自らが復興における第一義的な責任を有することを認識した。国際社会は、復興への取り組みを行うにあたって、AIAとアフガニスタン国民を支援し、緊密に協調することに同意し、その決意を表明した。

  9. 国連が引き続き枢要な役割を果たすべきことについて認識された。会議では、ラクダール・ブラヒミ国連事務総長特別代表がアフガニスタンの平和と安定の促進において果たし、また引き続き果たすであろう調整者としての役割が認識され、高く評価された。 復興は政治プロセスと不可分に結びついていることから、会議では、特別代表の下で行われる活動を支援する必要性が強調された。また、会議は、国連開発計画(UNDP)が、国連システムを代表して初期の復旧への取り組みを主導するよう指名されたことを歓迎した。

  10. 健全かつ包括的なマクロ経済・金融の枠組みを迅速に構築することの重要性が強調された。 経済開発を持続的なものとし、ドナーからの資金を効果的に使用するためには、健全な通貨制度及び強固かつ透明な予算・財政システムを早急に整備することが必要となる。ドナーは、AIAが不可欠な組織的枠組みを構築することを助けるために技術的・財政的支援を行うことをプレッジした。

  11. 会議では、復興の成功のためには治安及び麻薬対策の問題が極めて重要であることが認識された。 また、着実かつ後戻りしない進展を確実なものとするために体系的なフォローアップと十分な支援を行うべきことが特に強調された。

  12. 会議では、紛争と抑圧の主たる犠牲者であった女性の権利を回復し、女性のニーズに対処することが核心であることが強調された。 女性の権利及びジェンダーの問題は、復興プロセスにおいて十分に反映されるべきである。

  13. また、会議では、アフガニスタン及び国際NGOが果たす重要な役割が強調された。1月20日に開催されたNGO会合には、アフガニスタン及び国際NGOが、参加し、その結果は全体会合に報告された。NGOの代表は、アフガニスタン及び国際NGOが教育と研修に焦点を当てることは、特に女性にとって、復興のためのアフガニスタン人の能力構築に必要であることについて合意したと報告した。NGO、国際機関、ドナー及びAIAの間における継続した対話と調整は、資源の効率的利用の確保にとり重要である。

  14. 会議は、世界銀行、UNDP、アジア開発銀行により作成された予備的ニーズ・アセスメントを歓迎した。より包括的なニーズ・アセスメントに関する更なる作業がAIAとの十分な協力の下で数週間以内にアフガニスタンにて行われる予定である。参加者は、将来のアフガニスタン復興支援グループ会合において、変化する復興のニーズと様々なプロジェクトの進捗報告を見直し、モニターする。

  15. 復興に関するAIAのビジョンと政策に応え、会議参加者はアフガニスタン国民の復興努力を支援する用意があることを表明した。このコミットメントを具体化するため、2002年分については、18億ドル以上のプレッジと貢献が発表された。 幾つかの国は、様々な期間設定をおいて複数年プレッジとコミットメントを表明した。累積合計額は45億ドル以上であった。更に幾つかの国は、金銭的価値に換算できないか、現物での支援を提供することを表明した。参加者は、迅速な払い込みが緊要であること、及び今後数ヶ月にわたりAIAが機能していくための緊急の財政ニーズに対処することが重要であることにつき合意した。

  16. アフガニスタン国内及び周辺地域において人道支援を継続する必要があるとの観点から、会議では、人道支援に引き続き関与するとの参加者の強い意向も確認された。さらに、会議では、人道支援、復旧、復興、開発の間に強い補完性が必要であることが強調された。

  17. 参加者は、ブラッセルにおける第一回アフガニスタン復興運営グループ会合において合意された、国際的支援の実施を促進するための資金メカニズム、執行グループ(IG)、及び共通援助データ・バンクの有用性を再確認した。

  18. 既存のメカニズムは、主要ドナーによる復興資金提供のための主要な手段となる。加えて、単一の信託基金が設立される。基金の管理は、世界銀行に委託される。 支出の配分に関する決定は、アフガニスタン政府との緊密な協力の下で、また国連事務総長特別代表と協議しつつ、世界銀行、UNDP、アジア開発銀行及びイスラム開発銀行の責任において行われる。信託基金は、受託者としての責任を果たしつつ、迅速かつ臨機応変な資金分配が可能となるような形で設立されるべきである。参加者は、この基金が迅速に設立されるよう要請する。

  19. AIA、ドナー及びNGOの間における戦略的な一貫性と調整を実現するために、執行グループは、カブールにて会合を開催する。AIAが執行グループの議長を務め、世界銀行、UNDPアジア開発銀行、イスラム開発銀行及びアフガン支援グループ(ASG)議長が執行グループの副議長を務める。会議では、アフガニスタン復興運営グループと執行グループの役割と両者の間での緊密な調整の必要性が確認された。執行グループは、AIAとドナーとの調整を行うため、少なくとも四半期ごとにカブールで開かれる。AIAは、必要に応じ、追加的に執行グループ会合を召集することができる。アフガニスタンの支援のための通常の協議グループ・プロセスに向けできる限り迅速に取組むことが重要であるとの見解が示された。AIA副議長兼財政担当相アミン・アルサラは、会議の合間に第一回目の執行グループ会合を開催し、次回会合を3月にカブールで開催することを表明した。

  20. 情報の共有を促進するため、参加国政府と国際機関は、世界銀行とUNDPによって設立される共通援助データ・バンクに対し、援助プログラムに関する必要な情報を提供する。

  21. 会議は、国際的プレゼンスによって生ずる賃金と家賃の歪んだ高騰を避けるために、行動規範に関するUNDPによる提案に留意するとともに、執行グループに対し更なる作業を促した。

  22. アフガニスタン復興運営グループの次回会合は、復興プロセスにおける進捗を見直すため、今年の年央までに行われる。


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