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中・日・韓教育交流の新たな傾向


中国北京外国語大学 王麟


 この2・3年、中国、日本、韓国の三国間の教育交流にいくつかの新たな傾向が見える。中国人・韓国人の日本への留学が急速に増加していると同時に、日本人・韓国人の中国への留学も急激に増加している。また、中国への留学生が中国語だけでなく、ほかの学科も勉強し始めた。彼らは三国の文化、教育交流に著しく役立っていると言える。
 現代の国際社会では、地球がだんだん小さくなって行き、逆に国の活動範囲がますます大きくなっている。このような特徴はグローバル化と呼ばれるが、このような国際形勢で各国間に政治、経済、文化などの分野でより密接な交流が必要になった。言うまでもなく、各国はそれぞれ独特な特徴を持っているから、国際化は相互的に進めていかなければならない。
 中国、日本、韓国の三国は地理的にも近いうえに文化もよく似ており、日本と韓国の文化の源は中国だと言える。中国は歴史に唐朝を代表として、輝かしい文化を創造した。日本は何十回もの遣隋使、遣唐使を派遣して中国の文化を学んだ。しかし、近代、先に西洋化した日本が中国に比べ急速に発展し、発達した科学技術を得ていた。その時代、中国は日本に多くの留学生を派遣して進んだ技術や文化などを学んだ。しかしその後、第二次世界大戦のため、中日文化の交流が途絶えた。中日国交正常化後の三十年間は、中日関係が各方面で密接になり、特に文化、教育の方面などの交流も著しく発展した。だが、中日間の教育の交流には中国から日本への留学生が圧倒的に多いという特徴がある。これは社会制度、生活水準など客観的な理由が考えられるが、いやはり一方的で正常な状態とは言えないだろう。その後、中国の急速な発展につれて、この状況に変化が見られるようになった。以下では中国と日本の留学に関する現状を述べる。
 まず、中国の状況を述べる。今日、韓国人は中国への留学する数が急速に増えている。以前、中国では日、韓留学生の姿があまり見られなかったが、今わが学校(外国語大学)はもちろん、隣の理工大学でも留学生が非常に多くなり、私は留学生と交流する機会が増えた。例えば、大学で「時文討論」という授業を受けているが、日本の朝日などの新聞内容を話題にして、グループに分かれ討論するというクラスだ。ある日、先生は5人の中国に来たばかりの日本人留学生を誘って私たちと一緒に授業をした。わがグループに参加したのは曹君と胡桃君だった。曹君は実は韓国人だが日本で育った。私たちは初めて合ったが積極的に討論した。私たちはみんな「三国演義」が好きで決められた話題のほかに「三国演義」についてもいろいろ話した。「中国人の日本での犯罪」のような敏感な話題を討論したとき、彼らは友好的に礼儀正しく話してくれ、私たちは心から感謝した。しかし、もっと重要なのはこのような対話を通して、私たちは相互の考えを理解し、交流を深めることができた。これは私にとりとてもいい経験になった。
 また、中国への留学生が勉強する学科もだんだん豊かになり、法学、文学などいろいろな授業で日、韓留学生の姿が見られる。例えば、私は北京大学の大学院生になるために、北京大学の法学の授業を受けているが、法学部には日韓留学生が一つのクラスを占めている。法学部の授業も討論することが多いが、わが学校と形式が違い、一人一人で発言しなければならない。何百人もの前で話すことは中国人でもたいへんな事だが、留学生が積極的に発言し、すばらしい意見を発表している。彼らは私たちと比べて問題を見る角度も異なるので、私たちが思いつかない意見も出し、私たちはたいへん勉強になった。彼らもこれからすばらしい成果を収めるだろう。これらのことから教育交流の力をはっきり感じている。
 次に日本では当時の中曽根内閣が2000年に10万人の留学生を受け入れようと「留学生受け入れ10万人計画」を立てた。実際には、2001年には7万8千人で目標は達成できなかったが、急激に留学生を増加させた。その中で中国の留学生は一位だ、二位は台湾だ、三位は韓国だ。留学生たちは日本で勉強すると同時に積極的に社会活動に参加してアルバイトをして、日本社会にも役立っている。また、大学の経営の観点から言っても、日本社会は少子化になり、大学入学者が減りつつある。そして、今では留学生が日本人の学生減少の穴埋めをしており、教育の資源を黙認にさせないのに役立っている。しかし、それと伴いいくつかの問題もでてきた。学生の質を重視しない大学が増え、また、勉強をせず、アルバイトばかりしている学生も多くはないが存在する。これには、日本での学費と生活費が高すぎて、普通の中国の家庭では負担できないという現実がある。多くの学生が生活のためにアルバイトをしなければならない。アルバイトに時間と精力を取られ、勉強や文化交流活動などにあまり時間をかけられない。日本の奨学金の種類は多いが学生の数に比べるとまだ足りない。しかし、日本政府はこの問題に対して今後適切な対応をするだろう。
 韓国と中国の交流も進み、まだ日本と韓国もサッカーワールドカップ共催を通して交流が深まっているそうだ。最近では、中・日がASEANと密接の関係になり、EUのような東アジア自由貿易区を形成するかもしれない。中・日・韓の交流がもっと深まると思っている。
 今年はちょうど中日国交正常化30周年と中韓国交正常化10周年であり、中・日・韓三国がさまざまな文化教育交流の活動を催している。私は中日共催コンサートを見に行ったが、それはとても友好的な雰囲気に包まれ大成功だった。今後も三国の人民がこのような交流活動を契機に教育交流をもっと深く、もっと新しい分野に広げるように努力していくことが大切だろう。そして将来、私もその手助けができるようにがんばっていきたい。




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