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川口外務大臣と語るタウンミーティング (カーティス・コロンビア大学教授冒頭挨拶) (カーティス教授) ありがとうございます。まず、このタウンミーティングに参加させて頂きましたことを光栄に思います。今日のミーティングを非常に楽しみにしていました。一つは、川口外務大臣とまたお目にかかることができるということと、あとは皆さんがどういう質問をなさるかということを非常に楽しみにして参りました。 150年の日米関係ですが、大臣が仰ったように、今考えてみれば、この日米関係は非常に特別で、根が深い関係になっています。ただお互いに国益から見れば同盟を作ったほうがいいということだけではなく、いろいろなレベルでの日本人とアメリカ人のつながりが非常に広くあるということが何よりも大事だと思います。 先程大臣のお話の中にJETプログラムという話があったのですが、このJETプログラムは確かに今まで3万8000人ぐらいの卒業生があり、他の国の人達もいますが、その中ではアメリカ人が圧倒的に多く、コロンビア大学の大学院生で、日本のことを勉強したいという人たちの中には、このJETプログラム卒業生がびっくりするほど多くいます。 昔だったら、日本の専門家第1世代は、戦前の宣教師の子供たち、前のライシャワー駐日大使のような方等です。第2世代は、海軍日本語学校、陸軍日本語学校で日本語を勉強した、要するに戦争の経験でもって日本を知った世代です。私に日本を教えてくれた先生達は、ほとんど全部その世代なのです。そして私たちは第3世代と言われており、今は第4世代か第5世代か分かりませんが、これは僕が「JET世代」と呼んでいるぐらいにJETプログラムと密接な関係があります。ですから、日米関係の強さというのは、政策の一致、合致だけではなく、もっと基本的なつながりがあるということにあります。 もう一つここで申し上げたいことは、2001年9月11日に起きたテロ事件がどんなにアメリカ人の意識を変えたか、日米関係にとってどれほど大きな新しい挑戦であったかということを、やはり考える必要があると思います。9月11日までの戦後のアメリカは、自分の国が外から攻撃されるということを一切考えなかった国なのです。あるとしたら、ソ連との核戦争でアメリカはやられるかもしれないが、そのために抑止力があります。要するにソ連がアメリカを攻撃すれば、それを上回る攻撃をまたアメリカがソ連にできるから攻撃はないだろうという安心感があったのです。その安心感が、あの日の貿易センタービルとペンタゴンに飛行機が突入することによって、完全になくなったのです。 ですから、今のアメリカには非常に不安感があり、テロリズムとの戦争をしているという意識が広くあります。そのために、「同盟」という言葉の意味が変わりました。同盟というのは、ただ相手が困っている時にアメリカが助けるだけではなく、お互いに助け合う関係であるということです。日本が困った時にアメリカが日本を助けることになります。例えば安保条約上、アメリカが困っても、日本は別にアメリカを助ける義務がないということに今なれば、この関係は大変な危機になると思います。そういう意味では、私は9月11日のテロ事件のアメリカに対しての日本の対応は、非常に評価すべきだと思います。 申し上げますが、私自身は、ブッシュ政権がイラクに戦争をしたことは過ちだったと思っています。しかし、国際政治というのは現実の問題をどうするかということですから、今のイラクの復興は、日本、アメリカ、世界にとって非常に重要なことであり、日本がアメリカと一緒になって、何とかイラクが復興して安定するよう貢献するということは、私は当然というか、評価すべきことであると思います。 そういう意味では、これからの日米関係を運営していくには、今までにないほど難しい問題が多くあります。まずテロリズムは、相手がよく見えず、また、国ではない国際的な隠れたネットワークでもって、次はどこがやられるか分からないというものです。このテロリズムとの戦いのためには、非常に密接な関係を持ちながら、文明国が協力しなければならないのです。 それともう一つ、特に東アジアにおいては、これからますます強くなる中国に対してどのように対応すべきかについて、これも日米関係にとっては、非常に重要なテーマの一つであると思います。 いろいろな問題は次から次へ出てきますが、この日米関係そのものがうまく展開していくために、何よりも大事なのは信頼関係、あとは価値観が共通することです。そう考えれば、今の日米関係は、その信頼関係は実に強固だと思いますし、文化的な背景が非常に違うにもかかわらず、価値観が日本人とアメリカ人に共通しているところが多いということが言えると思います。 例えば、今我々は、タウンミーティングに参加しています。日本ではタウンミーティングをよく実施しますが、タウンミーティングという言葉は19世紀のアメリカの言葉であり、ニューイングランドやボストンあたりでは、タウンミーティングをやって、まず、普通の人たち、普通の市民が国の指導者と話し合い、意見を述べます。これはアメリカの伝統でもあるし、しかし日本の伝統でもあります。他の国へ行ったらそうであるかと言えば、必ずしもそうではありません。色々な意味で、日本人、アメリカ人、日本とアメリカの関係が、目に見えない強さで、その根に深さがあると私は思います。ありがとうございました。 |
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