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外務本省

外務省タウンミーティング第7回会合
川口外務大臣と語るタウンミーティング
(平成15年11月22日、於:広島 アステールプラザ)
「平和のための日本外交」
(川口大臣冒頭説明)




プレゼンテーション1

[大臣冒頭説明]
 今日は、「平和のための日本外交」というテーマです。先ほど、私は平和資料館を改めて訪問させていただきました。外交による平和、そのための外交活動がどれぐらい重要なのかということを今、改めて痛感しています。
 さて、「平和のための日本外交」には柱が大きく二つあると私は思っています。一つが、軍縮、軍備管理、不拡散などといった軍備に関することであり、もう一つは「平和の定着」と私が呼んでいるものです。


プレゼンテーション2

[核軍縮]
 私から申し上げるまでもありませんが、原爆がこの地に投下され、あるいは長崎に投下されてから58年たちました。その後、世界は冷戦を経験し、その間に核兵器は全世界を十数回破壊するに足りるだけの量の蓄積が行われたと言われています。冷戦が終わるとともにアメリカ、ロシアが核兵器の削減に乗り出したというときのグラフでは、右の方で急速に減少しています。今年6月に米露の間でモスクワ条約が合意され、今後10年間で戦略核を約半分にすることが約束されています。


プレゼンテーション3

[日本の取り組み(1):核軍縮決議の提出]
 それでは、核軍縮ということで日本がどのような取り組みをしているかを少しお話しさせていただきます。日本は世界で唯一の被爆国です。日本のために安全保障ということをやっていかなければいけないことももちろんであり、日本外交の取り組みとして世界の先頭に立って行ってきています。
 具体的には、例えば、1994年以来、毎年、大体9月に国連総会が開かれますが、その際日本は核軍縮の決議を出しています。かなりの国の賛成を得ており、今年は146か国がこれに賛成をしてくれています。


プレゼンテーション4

[日本の取り組み(2):CTBT発行促進]
 もう一つやっている取り組みが、CTBTの発効の促進です。CTBTとは、一口で言ってしまえば、核の実験を禁止しようという取り組みです。
 核兵器を開発したり改良したりするときには実験が必要であり、その実験を禁止することによって核軍縮を進めていこうという考え方で、1954年にインドのネール首相によって提唱されました。そして、1996年に、核爆発を禁止し、科学的な検証ができる施設を造って検証していこうという条約が締結されました。これは、残念ながら今はまだ発効していません。発効要件国という名前で呼ばれている核を作る能力がある国がそれを批准しなければいけません。日本もその一つで、日本は批准しましたが、他に署名していない国もありますし、署名しても批准をしていない国もあります。日本としては、いろいろな機会を通じて、そういう国に署名や批准をするべきであると言っています。
 今年の9月初めに、ウィーンでこのCTBTの発効を促進する会議が開かれ、私はそこに行き、出席した国の中で最初に演説をしました。そういった取り組み、働きかけなどをいろいろやっており、このような努力も今後引き続きやっていきたいと思います。


プレゼンテーション5

[日本の取り組み(3):不拡散]
 それから、核の軍縮あるいは不拡散での取り組みについて申し上げたいと思います。冷戦は1990年ごろにほぼ終わりましたが、21世紀に入り、最近、我々が直面している新しい形の脅威があります。大量破壊兵器、核や生物化学兵器が、例えばテロリストの手に渡ったときにどういうことになるかという脅威に直面しています。いちばん身近な話としては、東京での地下鉄サリン事件もありました。大量破壊兵器が拡散して、テロリストの手に渡ることを食い止めなければいけません。ものや技術の輸出により広がっていくことを止めるためのさまざまな取り組みをしています。
 それから、もう一つ新しい試みとして、実際に大量破壊兵器が輸送されていく過程で止めるという取り組みも行われています。また、発展途上国の中には、そういった取り組みをする力を持っていない国があり、そのような国への支援も日本は行っています。
 以上が、軍縮、軍備管理、不拡散についての取り組みですが、最初に申し上げたもう一つの柱である「平和の定着」について少しお話しさせていただきたいと思います。


プレゼンテーション6

[平和の定着]
 「平和の定着」は、和平プロセスの促進、国内の安定・治安の確保、人道復旧支援という三本柱から成り立っていると私たちは考えています。
 この中で特に重要なのが、小型兵器あるいは対人地雷の問題の解決です。復興しようと思っても、例えば地雷が埋まっているためになかなか復興が進まないということもあります。私は去年5月にアフガニスタンに行きましたが、アフガニスタンにはまだまだ400万個ぐらいの地雷が埋まっていると言われています。アンゴラ、スリランカ、カンボジア、タイ、ベトナムでもまだたくさんの対人地雷が埋まっており、それらに対応しなければいけません。


プレゼンテーション7

[発言力の強化と地域の取り組み]
 あともう一つ、「平和の定着」の中で重要なのは、日本が国際社会の中で発言力を持っていくことだと考えています。この核の廃絶の分野あるいは軍縮の分野では、日本は重要なポストに人を置いており、国連の軍縮局長も日本人です。それから、猪口大使は軍縮代表部大使で、今年の夏には小型武器についての国連での会議で議長を務めるなど活躍しています。
 それから、ウィーンにある国際機関代表部の大使で、今ちょうどイランの問題についてウィーンのIAEAで会議に取り組んでいるのが、高須大使です。こういった場で日本人が重要なポストにいて活躍し、発言力を持っていくことも大事だと思っています。
 さらに、この分野で同じように重要なことは、その地域の取り組みであると思います。広島はこの面では多くのことをなさっています。私は、日本が広島や長崎での悲劇の経験を人類が共有する経験にしていくことが重要であり、それが日本の使命であると考えております。
 この経験を広げていくためには、政府がやるだけでは十分ではなく、それぞれの地域、あるいは一人一人の市民のレベルで広げていただくことがとても大事だと思っています。


プレゼンテーション8

[軍縮・不拡散の全体像]
 以上、ざっと日本の取り組みについてお話ししましたが、まとめてみますと、まず、大量破壊兵器、それから、運搬手段(ミサイル)について対応が必要です。もう一つ、通常兵器、小型武器、対人地雷等ですが、小型武器は「事実上の大量破壊兵器」と呼ばれており、小型ミサイル、自動小銃などによって多くの人、特に女性や子供が亡くなっており、これについての取り組みも非常に大事です。
 軍縮、不拡散のための取り組みはたくさんありますが、それぞれの分野で日本は一生懸命に取り組んでいることをお話しさせていただきました。どうもありがとうございました。




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