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報道発表


人間の安全保障基金による産科ろうこう(フィスチュラ)対策に対する支援について


平成16年11月2日


  1. わが国政府および国連は、11月2日(火)、国連人口基金(UNFPA)がナイジェリア連邦共和国、マリ共和国およびパキスタン・イスラム共和国において実施する「妊娠・出産による産科ろうこう(フィスチュラ)の予防と治療のための能力強化」プロジェクトに対し、人間の安全保障基金を通じ、総額364万6,500ドル(約3億9,700万円)の支援を行うことを決定した。

  2. このプロジェクトは、開発途上国の女性の間に広まっている深刻な婦人病の一種である妊娠・出産による産科ろうこう(フィスチュラ)対策を同3カ国において実施するものである。

    (1)ナイジェリア(約184万ドル)
     独立の産科ろうこう(フィスチュラ)治療センターを設立し、治療機会の拡大を図るとともに、将来的に研究・訓練用施設としても活用。

    (2)マリ(約60万ドル)
     産科ろうこう(フィスチュラ)予防のための産科治療技術の強化、国内5カ所の治療施設の強化および産科ろうこう(フィスチュラ)に関する知識を普及させるための地域団体の訓練の実施。

    (3)パキスタン(約87万ドル)
     産科ろうこう(フィスチュラ)の治療が実施できるよう国内3カ所の治療施設の強化、地方での巡回治療の実施および安全な出産を行うための啓蒙キャンペーンの実施。

  3. このプロジェクトの実施により、同3カ国において産科ろうこう(フィスチュラ)の予防・治療が促進されていくとともに、安全な出産の実現がはかられることが期待される。

(参考)
  1. 人間の安全保障基金は、1999年3月にわが国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約290億円を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の多くのプロジェクトを支援してきている。

  2. 産科ろうこう(フィスチュラ)とは、開発途上諸国の女性の間で見られる婦人病の一種であり、女性が長時間に渡る遷延分娩(難産)の際に胎児の頭が母親の産道を圧迫し、その結果、母親の膣と膀胱又は直腸の間が腐敗して孔となり、多くの場合胎児を死亡させるとともに母体に失禁等を生じさせる。産科ろうこう(フィスチュラ)を生む要因としては低年齢出産、栄養不足および産科治療施設の不足等が考えられる。サブ・サハラ、南アジア及びアラブ諸国等で広く見られ、全世界で200万人の患者が存在すると言われている。

・ 国際社会協力部 政策課


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