人間の安全保障基金によるガーナにおけるネリカ米を通じた貧困農民に対する支援について
平成16年10月29日
- わが国政府および国連は、10月29日(金)、国連食糧農業機関(FAO)がガーナ共和国において実施する「ガーナ地方部の食糧不足及び貧困対策のためのネリカ米・改良米生産システムの導入」に対し、人間の安全保障基金を通じ、総額92万5,914ドル(約1億円)の支援を行うことを決定した。
- このプロジェクトは、ネリカ米の普及および改良された米生産技術の提供を通じて食糧の確保と農民の所得向上を図ることにより、ガーナにおける貧困農民を支援するものである。
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米の生産・生産性を高めるためのネリカ米・改良米品種の導入および穀物の総合管理システムの導入を支援。
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収穫・収穫後作業のための農具・器具の供与および米穀・バイオマスを付加価値のある商品に加工するための技術の提供。
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農民の協同組合の能力強化。
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ネリカ品種を含む種籾の生産および配布の促進。
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- このプロジェクトの実施により、ガーナの貧困農民の食糧生産性を高めるとともに、同国における貧困と食糧不足の緩和がはかられることが期待される。
(参考)
- 人間の安全保障基金は、1999年3月にわが国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約290億円を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の多くのプロジェクトを支援してきている。
- ネリカ米(NERICA、 New Rice for Africaの略)は、病害、乾燥に強いアフリカ稲と高収量のアジア稲を交雑したアフリカ陸稲の新品種。西アフリカにおける農業生産の低迷や人口増加による慢性的な食糧不足を受けて、1994年に西アフリカ稲開発協会(WARDA)が開発に成功した。
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国際社会協力部 政策課 |
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