人間の安全保障基金によるシエラレオネにおけるネリカ米を通じた貧困農民に対する支援について
平成16年10月4日
- わが国政府および国連は、10月4日(月)、国連食糧農業機関(FAO)がシエラレオネ共和国において実施する「シエラレオネにおける食糧不足対策、農民所得向上のためのネリカ米・改良米生産システムの普及」に対し、人間の安全保障基金を通じ、総額92万3,010ドル(約1億円)の支援を行うことを決定した。
- このプロジェクトは、ネリカ米の普及および改良された米生産技術の提供を通じて食糧の確保と農民の所得向上を図ることにより、シエラレオネにおける貧困農民を支援するものである。
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関係住民のプロジェクトへの参加意識を高めるために3つの地方ワークショップを開催。
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地方コミュニティーや農業協同組合からの参加者を含む1,500名の農民に対する訓練の実施。
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土地や治水施設の再生に関する訓練の実施を通じて、120ヘクタールにおよぶ休耕湿地帯に住む農民の生産拠点の再生を目指すパイロット事業を実施。
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36名の地方駐在スタッフ、米の生産管理の専門家等の技術・管理能力の養成。
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- このプロジェクトの実施により、シエラレオネの貧困農民の食糧生産性を高めるとともに、同国における貧困と食糧不足の緩和が図られることが期待される。
(参考)
- 人間の安全保障基金は、1999年3月にわが国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約259億円を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の多くのプロジェクトを支援してきている。
- ネリカ米(NERICA, New Rice for Africaの略)は、病害、乾燥に強いアフリカ稲と高収量のアジア稲を交雑したアフリカ陸稲の新品種。西アフリカにおける農業生産の低迷や人口増加による慢性的な食糧不足を受けて、1994年に西アフリカ稲開発協会(WARDA)が開発に成功した。
- シエラレオネでは、1999年のロメ和平合意やそれに続く国連PKOの展開などにより約10年以上に亘る内戦が終了。その後、2002年5月に大統領・国会議員選挙が自由・公正かつ平和裡に実施され、現職で再選されたアルハジ・アフマド・テジャン・カバ大統領の下、同国は平和の定着と復興に取り組んでいる。
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国際社会協力部 政策課 |
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