北オセチア共和国における学校占拠事件に関するわが国の支援について
平成16年9月8日
- わが国政府は、1日(水)にロシア連邦南部の北オセチア・アラニア共和国ベスラン市で発生した学校占拠事件に関し、ロシア政府よりわが国政府に対して必要な医療器具・医薬品についての支援要請があったこと、および「国際赤十字・赤新月社連盟」(IFRC)が被害者支援のための緊急アピールを発出したことを受けて、9月8日(水)、IFRCに対し、被害者支援として10万ドルの資金協力を行うことを決定した。
- 今回のIFRCのアピールは、今回の占拠事件の被害者に対して、医薬品等の援助物資の供与のほか、心的外傷後のストレスへの対応等を支援することを目的とするものであり、わが国の資金協力についても、こうした目的に使用されるものである。
- わが国政府は、子供を含む多くの一般市民が犠牲となった今般の学校占拠事件に関して、改めて犠牲者およびご遺族に哀悼の意を表する。このような卑劣なテロ行為は、断じて許されないものであり、いかなる理由をもってしても正当化されるものではない。わが国政府として、プーチン大統領およびロシア政府がこれまでテロとの闘いに終始断固とした姿勢で毅然として立ち向かってきたことを支持し、敬意を表する。
- テロリズムとの闘いは、国際社会が一致して取り組むべき問題であり、わが国政府としても、今後ともロシアを含む国際社会とともにこの問題に取り組んでいく考えである。
(参考)
- 学校占拠事件概要
9月1日、ロシア連邦南部の北オセチア共和国ベスラン市の学校がチェチェン武装勢力と思われるグループにより占拠され、生徒、父母、教師等1,000人以上が約54時間にわたり体育館に拘束されていたところ、モスクワ時間9月3日13時頃(日本時間同日18時頃)、ロシア治安当局と武装グループとの間で銃撃戦になり、同日23:30頃(日本時間4日4:30頃)には制圧されたが、多数の犠牲者(死者330人以上(うち150人以上が子供)、負傷者700人以上(うち300人以上が子供))が発生、本件学校占拠事件は、ロシアにとっては未曾有のテロ事件となった。
- 6日に発出されたIFRC緊急アピールの概要
- IFRCは、12ヶ月間にわたって2000名を対象とした、864,844スイスフラン(680,000米ドル)の援助資金、物資及び役務の支援をアピール。
- 事件の被害者、家族、友人に対し、医薬品等の援助物資の他、心的外傷後ストレスへの対応、身体障害者への対応のためのサナトリウム施設の整備や専門家派遣等を実施。
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