人間の安全保障基金による中央アジアにおける児童の保護プロジェクトに対する支援について
平成16年8月20日
- わが国政府および国連は、8月20日(金)、国連児童基金(UNICEF)がカザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの中央アジア5カ国において3年間にわたり実施する「児童の保護プロジェクト」に対し、人間の安全保障基金を通じ、総額216万ドル(約2.35億円)の支援を行うことを決定した。
- 中央アジアの国々では、旧ソ連時代より多くの家庭が貧困により子供を児童福祉設に預けざるを得ない状況にあったが、近年も各国の厳しい経済状況により、およそ20万人もの子供が家庭で暮らせず、施設で生活している。このプロジェクトは、以下の活動を通じて、子供と家庭のための社会保障制度を構築し、特定施設に代わる養子縁組や里親制度などの子供の保護育成環境を提供するものである。
主な活動内容
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現状の評価・分析および子供と家庭のための地域に根ざした福祉事業計画の立案 |
(2) |
専門家の啓発や組織化の支援 |
(3) |
困難に直面している子供や家庭の問題を扱う専門家の処理能力向上 |
(4) |
子供と家庭のための地域に根ざした社会福祉センターの試験的設立 |
(5) |
地域レベルでの里親制度の推進 |
- このプロジェクトの実施により、子供を施設に送り込む社会傾向に歯止めをかけ、子供の健全な発達が促進されることが期待されるとともに、中央アジア諸国の社会的安定につながることが期待される。
(参考)
人間の安全保障基金は、1999年3月にわが国が国連に設置した信託基金であり、現在までに総額約259億円を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の100以上のプロジェクトを支援してきている。
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国際社会協力部 政策課 |
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