人間の安全保障基金によるコンゴ民主共和国における農業活動の再活性化に対する支援について
平成16年3月26日
- わが国政府および国連は、3月26日(金)、国連食糧農業機関(FAO)がコンゴ民主共和国において実施する「農業訓練及び農具提供を通じての農業活動の再活性化」プロジェクトに対し、人間の安全保障基金を通じ、総額104万7,537ドルの支援を行うことを決定した。
- このプロジェクトは、長引く紛争の影響により十分な食糧を確保できないコンゴ民主共和国の帰還民、国内避難民などの貧困世帯が食糧生産能力を高められるよう支援するものであり、農業支援と平和の定着努力を重視するTICAD(アフリカ開発会議)プロセスの考え方に沿った支援である。
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貧困世帯に対する農具や種子の供与および営農指導の実施
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栄養失調児童を持つ家族に対する栄養教育の実施および家庭菜園キットの供与を含む栄養センターへの技術支援の実施
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農業セクターの再活性化を図るための穀物の良質な種子を生産するための種子生産組合に対する技術支援の実施
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貧困世帯のタンパク質不足を補うための鴨とその飼育飼料の供与および飼育方法の指導の実施
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緊急時に備えて貧困世帯の分布を把握するための情報収集を目的とする地域ネットワークの構築の実施
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- このプロジェクトの実施により、コンゴ民主共和国における農業活動の再活性化を通じて、同国の貧困世帯の食糧状況が改善されることが期待される。
(参考)
- 人間の安全保障基金は、1999年3月にわが国が国連に設置した信託基金であり、現在までに総額約259億円を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の多くのプロジェクトを支援してきている。
- わが国はコンゴ民主共和国の安定が大湖地域、ひいてはアフリカ全体の安定にとり重要との考えから、これまでUNHCR(国連高等弁務官事務所)、WFP(世界食糧計画)を通じた人道支援、UNDP(国連開発計画)を通じた元兵士の武装解除、動員解除、社会復帰支援プログラム、UNICEF(国連児童基金)を通じた小児感染症予防計画等を行ってきている。
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国際社会協力部 国連行政課 |
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