人間の安全保障基金によるウクライナにおけるチェルノブイリ被災民に対する支援について
平成16年2月16日
- わが国政府および国連は、2月16日(月)、ウクライナのチェルノブイリ被災地域のコミュニティを支援するために、国連開発計画(UNDP)が実施する「チェルノブイリ被災コミュニティにおける恐怖、問題及びリスク対策に向けた個人への支援」プロジェクトに対し、人間の安全保障基金を通じ、総額121万4,249ドルの支援を行うことを決定した。
主な案件
(1)自立、尊厳回復のためのコミュニティ開発事業
チェルノブイリ被災による無気力、鬱病が蔓延するコミュニティにおいて、地方組織を主体とする学校、医療機関等の公共施設の修繕事業への支援を通じて、住民の自立と尊厳の回復をはかる。(70の村落における約2万人を対象)
(2)生活・経済機会の創出事業
放射能汚染による農業分野の弱体化を受けて、農業以外の分野での小規模事業の立ち上げと若者への職業訓練の提供を通じて、地域経済の再生をはかる。(約100人の個人を対象)
(3)汚染地域における脅威にさらされた生命の保護事業
コミュニティにおいて放射性汚染物の体内への吸収防止のための知識の普及をはかるとともに、予防策の策定へのコミュニティの参加を促進する。(30のコミュニティにおける約6,000人を対象)
- このプロジェクトの実施により、チェルノブイリ被災民が直面する諸問題の改善がはかられ、コミュニティの経済再生が促進されることが期待される
(参考)
人間の安全保障基金は、1999年3月にわが国が国連に設置した信託基金であり、現在までに総額約229億円を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の多くのプロジェクトを支援してきている。
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国際社会協力部 国連行政課 |
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