報道官会見記録 (平成16年1月28日(水)17:00~ 於会見室)
ブアソーン・ラオス副首相の来日
(報道官)ラオスのブアソーン副首相が外務省の招きで本日、日本を訪問されました。国会日程の関係もありますが、明日、川口外務大臣と会談が行われる予定です。この他、各界の要人と会談される予定で、東京の後、名古屋で万博会場を視察されて、大阪を経て2月3日に関西空港から帰国されることになっています。
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北朝鮮(外為法改正案)
(問)国会で外為法改正案が焦点になっていますが、外為法改正案について、外務省としてどのようにこの法案を受け止めているかというのがまず1点。それと、昨年まで川口大臣は国会答弁などで外為法改正案について慎重な姿勢を見せておられました。年が変わって今年に入ってから、外為法改正案について理解を示す答弁をされていますが、なぜこのように見方が変わったのか、この2点についてお話頂けますか。
(報道官)外国為替及び外国貿易に関する法律の改正案ですが、国会で今審議が行われている最中です。外務省としては、もしこの改正案が可決、成立ということになれば対北朝鮮の政策の中で新たな選択肢が生まれることになろうと判断しています。新たな対北朝鮮の制裁措置になろうかと思いますが、この制裁を実施するかどうかは状況によって判断されることになろうと思います。今の段階で外務省として、また日本政府として北朝鮮に対して経済制裁を行う考えはありません。あくまでも新しい選択肢が追加されると受け止めております。政策が変わったのかどうかというお尋ねですが、外務省は対北朝鮮の政策について、これまでも対話と圧力という2つの視点からその時々の対応をとってきたわけで、何かの時点で政策が変わったということはありません。今、外務省のとっている考え方は、必要に応じて対話、圧力をかけながら北朝鮮との間で一刻も早く話し合いを始めたいというものであり、現実問題としては今も北朝鮮側に対してしばしば機会を捉えては政府ルートでの話し合いを始めようと呼びかけているところです。こうした考え方に変わりはありません。
(問)確認になりますが、そうしますと政策的に変わったわけではないということですが、川口大臣の昨年の発言は、極めて慎重な姿勢を示した発言と受け止められるのですが、実際は必ずしもそうではないですか。
(報道官)先程申し上げましたように、経済制裁を行うことを今の時点でも、大臣が答弁をした時点でも考えてはおらず、今でも考えていません。その考え方の中で発言をしたので、ニュアンスがどのようなものであったか、正確な記録は今手許にありませんが、考え方として変わりはありません。
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報道官会見記録 (平成16年1月21日(水)15:35~ 於会見室)
「イラク便り」の出版
(問)奥大使の「イラク便り」が本になって出版されるようですが、外務省としてこの本の出版によってどういうメッセージを読者の方に伝えたいのでしょうか。
(報道官)日本の外交官としてイラク復興支援のために活躍していた奥大使、井ノ上書記官、こうした方々がイラクの現地で実際に何を見、何を考えたか。復興、イラクと日本の関係のあり方、そうしたことを奥大使は「イラク便り」の中でつぶさに書き留め、それを出来るだけ多くの方々に読んで頂きたいと思い外務省のホームページに投稿を続けていたわけです。もちろんホームページに対するアクセス数が随分増えていることは確かなのですが、これを記録に留めたいと私たちが考えたことと、インターネットにアクセスすることが出来ない方々にも是非読んで頂きたいということもあり、また、あの「イラク便り」を本にしたいという申し出があったため、御遺族とも相談した後、本にして頂こうということで、我々も出来る限りの協力をしたというわけです。私たちの願いとしては、奥大使のこうしたメッセージが素直な形で国民の出来るだけ広い範囲の方々に伝わっていけばと願っています。
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報道官会見記録 (平成16年1月14日(水)17:00~ 於芝会見室)
リビアのCTBT、CWC署名
(報道官)リビアが大量破壊兵器の開発計画廃棄を決定したところですが、今般リビアは包括的核実験禁止条約(CTBT)を批准し、化学兵器禁止条約(CWC)に加盟、つまり署名し、批准したことが明らかになりました。これはリビアの国際社会への復帰、また軍縮・不拡散を進めていく上で大きな意義があるもので、我が国として歓迎するところです。また、北朝鮮をはじめとする他の懸念国、例えばシリア、イスラエルもその例ですが、こうした国々がリビアの例に倣うことを強く期待します。リビアの実際の批准及び加入は1月6日のことでしたが、13日付の国連ジャーナルに発表されたことで確認され、本日この談話を出させていただきました。
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北朝鮮(外務省職員の訪朝、最近の動向)
(問)北朝鮮ですが、外務省の職員が北朝鮮に入られましたが、現時点での取り組み、状況について教えてください。
(報道官)外務本省の職員1人と、中国に駐在している日本の外交官3人、合わせて4人が今平壌に行っております。内容ですが、今実際に北朝鮮側と話し合いをしているところで、具体的な内容については帰って報告を得てから、皆様にお伝えできることをお伝えしたいと思います。私が聞いている予定では、17日までは滞在することになると思います。様々な話し合いが行われると思いますが、例えば、北朝鮮側が身柄を拘束していると言っている日本人についての消息を確かめるといったことが仕事の中に含まれていると承知しています。
(問)同じ話ですが、レベルの高い低いはありますが、政府と政府が接触し合う機会ということで、今おっしゃった以外の懸案についても意見交換するような場面もあろうかと思うのですが、その辺はどういう。
(報道官)実際にどういう場になるのか、基本的には、今回は、北朝鮮側に拘束されている人物についての確認をしたいということで話し合いが始まったことですので、それ以外の話についてどこまで話が出来るのか、これは正直なところ話し合いをしてみなければ分からないところです。ただ、私たちとしては北朝鮮側に対して、例えば日朝国交正常化の問題について二者の話し合いをしようと繰り返し伝えているわけで、そうした希望を持っていることは北朝鮮側も十分承知しているはずでもあり、機会があればそうした問題が取り上げられる可能性はありますが、今のところ、帰ってからの報告を待ちたいと思います。
(問)最近の北朝鮮の動きについてどのように見ていらっしゃいますか。前向きになっているとお考えか、それとも特に中身的には言っていることは、回数は多いけれども中身は特に変わっていないとお考えでしょうか。その辺、どういう認識なのでしょうか。
(報道官)先日、川口外務大臣がこの点について同じような質問を受けた際に、川口外務大臣自身が、前向きの動きも感じられると述べられました。どちらかと言えば、我々としてはこれが前向きなものであってほしいということを願いつつ、先程申し上げたように北朝鮮側との話し合いを出来るだけ早く始めたい。これは日朝の間の話し合いだけではなくて、六者会合もやはり同じことです。本日も外務省に韓国の李秀赫外交通商部次官補が訪れ、六者会合を今後どう進めていくかという話し合いをしたわけですが、こうした日米韓の強い希望、また中国の懸命の努力を受けて北朝鮮側が出来るだけ早く本当の意味で前向きにこの問題に取り組み、六者会合、日朝間の話し合いが早く始まってほしい、再開されてほしいと考えています。その可能性はあるのであろうと期待しています。
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武器3原則の見直し
(問)石破防衛庁長官が外遊中の懇談で、武器3原則見直しについて他国との共同開発や生産についてかなり踏み込んだ発言をされましたが、外務省としては武器3原則の見直しについてはどうお考えになりますか。
(報道官)この点については、例えば福田官房長官が、今日午前中の官邸での会見でも発言されているとおり、慎重に検討する必要のあるものということです。石破長官が言われたこと、つまりミサイル防衛網をこれから実際に進めていく中でそうした問題はどうなっていくのか、また欧州での武器の開発という現状を踏まえての御発言とは思いますが、実際に石破長官がどういうことを念頭に置かれて御発言になったのか、つまびらかにしていませんし、この問題は今まで日本が取ってきた政策ですので、我々としては、もし変更ということになるのであれば慎重な検討が必要であるという考え方です。
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