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空中都市マチュピチュの思わぬ落とし穴 (時事通信「世界週報」2005年4月5日号より転載) 平成17年3月
在リマ総領事 渡邉 利夫 日本人のペルー観光のお目当ては、インカ帝国の首都クスコ、謎の空中都市マチュピチュである。このペルーの魅力に引かれて、年間2万5000人弱の日本人観光客が訪れる。 高山病に注意 ケチュア語で世界の「へそ」を意味するクスコは、3300メートル以上の高地に位置する。酸素は低地の3分の1しかない。空港からホテルに入る頃には、人によっては頭がドーンと重くなり、頭痛、息切れ、動悸が激しくなる。消化不良から下痢を患う人もいる。苦しくて、少しでも低いところで休みたいというわけで、床にマットを敷いて寝る観光客がいるという笑えない話もある。ほとんどの人は低地に下りてくれば、けろっとして治ってしまうが、それでも日本からの長旅の疲労も加わり、急性の高山病である肺水腫や脳浮腫に罹り、命が危険になるというようなケースもあるので要注意だ。 一般犯罪にも注意
ご多分に漏れず最近はペルーでも一般犯罪が増加している。昨年は世界で最も高いところにあるティティカカ湖畔のプノ市で連続して首絞め強盗が発生した。どうやら金を持っているとみられている日本人が集中的に襲われたようである。このような場合抵抗するとますます強く首を絞められ意識を失い、思わぬけがをすることがある。また一人歩きの観光客が流しのタクシーを拾って、そのまま貧民窟に連れて行かれ、仲間も加わって身ぐるみはがされたというような事件も発生している。総領事館としては、人を派遣して日本人観光客の安全確保を警察に要請しているが、犯罪防止の決め手がないのが実情である。 にせ日系人の査証審査現在日本には、4、5万人のペルー人出稼ぎ労働者がいる。日本では少子高齢化で、これら出稼ぎ労働者が労働力として果たす役割は年々大きくなっている。在ペルー日本総領事館では年間6000件に上る査証審査も重要な仕事になっている。一時おもしろおかしく報道された、整形手術をして日系人に成り済まし査証申請に来る人はさすがに見当たらないが、ペルーで仕事が見つからず、何とかして日本に行きたいとして偽造の出生証明書や結婚証明書を持って査証申請に来る人は今も後を絶たない。頭の痛い問題である。
麻薬は危険な犯罪行為それにしても最近心配しているのは、コカインという麻薬の運び屋などに手を染める人がいること。警察に捕まれば厳罰に処せられ、総領事館としては弁護士の紹介や収容された刑務所に面会に行ったりして世話をしているが、刑務所の環境や待遇は必ずしも良くなく、出所する頃には心身がボロボロになってしまうということにもなりかねない。先日もリマ市内の刑務所で銃や手投げ弾を使った抗争劇があり、5人が死亡した。日本でも報道された。麻薬の密輸は重大な犯罪で、切にやめてほしいと願う今日この頃である。 ワンポイント・アドバイス
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