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総領事館ほっとライン 第19回 シカゴ
管轄地域の面積は日本の5倍
(時事通信「世界週報」2005年3月1日号より転載)


平成17年2月
在シカゴ総領事
吉澤 裕


全米第3の大都市シカゴ

 シカゴは、ニューヨーク、ロサンゼルスに次ぐ全米第3の都市である。中西部の穀倉地帯とミシガン湖を背景に水路・陸路の中心として発展してきたが、現在も空路の要所となっており、オヘア空港は世界一忙しい空港として知られる。
 シカゴはまた様々な産業の中心ともなっており、ハンバーガーのマクドナルド、医薬品のアボット、通信機器のモトローラ、ユナイテッド航空などが、その本社をシカゴ周辺に置いている。日本企業の進出も盛んで、約600の日系事業所があり、シカゴとその周辺に在留する日本人は約1万1000人に上っている。
 シカゴは、ミシガン湖に面し、高層ビルのスカイラインと公園の緑が美しい町である。約3万点の浮世絵などを所蔵するシカゴ美術館や建築家フランク・ロイド・ライトの旧居とスタジオのあるオークパークなど見どころも多い。
 日本人の多くはシカゴと言えばアル・カポネを思い浮かべるかもしれないが、今日のシカゴで組織犯罪を身近に感じるようなことはまずない。ダウンタウンの再開発が進み、多くの人々が郊外から通勤の便利な市の中心部の近代的なアパートに移り住むようになった。劇場の改修なども進められ、市の中心部には夜もナイトライフを楽しむ人々が多く見られる。
 凶悪犯罪は引き続きシカゴ市警察の最重点課題であるが、問題の大きい地域に集中的に警察官を投入するなどの方策が効果を生み、殺人の発生件数などは着実に減少している。昨年の殺人発生件数は448件で前年比151減。600件を割ったのは1968年以来、36年ぶりとのことである。

思わぬ落とし穴にご注意

 とはいえ、油断していると思わぬ落とし穴にはまることになるので、注意が必要である。
 ホテルやレストランでの置き引き、車上荒らし等で邦人が被害に遭った例はかなりある。「振り込め詐欺」は日本で大きな問題になっているが、交通事故に巻き込まれたから何とかしてくれと国際電話で日本の家族に電話するような事例も発生している。
 シカゴが交通の要所であることを背景に、空港や駅を舞台とした事件で邦人がかかわるものも多い。オヘア空港に到着したが、所持金もなく入国目的や宿泊先もあいまいなため入国を拒否された事例、鉄道や航空機でシカゴに着いた邦人が、精神障害で警察に保護された事例などがある。
 なおシカゴ総領事館では夜間や休館日でも、緊急の場合はJAN(Japanese Assistance Network 電話=1-800-776-3877)に連絡していただくことにより、担当職員が対応できるようになっている。

9・11後の神経質なアメリカ

 2001年の9・11同時テロ以降の米国はセキュリティーに非常に神経質になっているので、注意が必要である。
 オヘア空港発の機内で、邦人が意味の分からない英単語を後で調べようとメモしていた中に「suicide bomb(自爆テロ)」とあったのを他の乗客が見つけ大騒ぎとなり、飛行機はゲートに引き返して、その邦人が厳重注意された例は、昨年、日本の新聞でも報じられた。航空機への搭乗の際の検査では金属探知機を通る際に靴を脱ぐことを要求されることが多く、これに素直に従わないと徹底的に身体検査をされる羽目になる。
 イリノイ州の邦人が特に不便を感じることになったのが運転免許証の問題である。イリノイ州では州法上、社会保障(ソーシャルセキュリティー)番号の提示がないと運転免許証を発給できないことになっていたが、9・11以降、連邦政府が駐在員の家族などには原則として社会保障番号を発給しない方針に転換したため、多くの邦人が州の運転免許証を取得できない事態となってしまった。
 総領事館では他の諸国の領事団とともに州政府に問題の解決を働き掛けてきたが、その結果、運転免許証に関するイリノイ州法が改正となり、ようやくこの1月から合法的に滞在するが社会保障番号を取得できない者に対して、「一時訪問者用運転免許証」が発給されることとなった。

今年からシカゴは10州を管轄

 今年の1月をもってカンザスシティーの総領事館が閉鎖となり、シカゴの総領事館の管轄地域は従来のイリノイ、インディアナ、ミネソタ、ウィスコンシンの4州に、アイオワ、カンザス、ミズーリ、ネブラスカ、ノースダコタ、サウスダコタの6州を加えて10州となった。総領事館としては、このような広大な地域の日本人の方々にできるだけ不便をかけないよう、領事出張サービスの実施などに努めていきたいと考えている。

ワンポイント・アドバイス

  • 米国の医療費は非常に高額で、一泊の入院で数千ドルの請求がある場合もあるので、旅行の際は保険に入ることが賢明です。
  • 生活環境や習慣の異なる海外での生活では、精神面、肉体面での健康管理が重要です。異変があれば早めに診断を受けましょう。
  • コミュニティーや在留邦人とのネットワーク作りを心掛けましょう。役に立つ情報が得られるほか、いざという時に助け合うことができます。


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