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総領事館ほっとライン 第8回 シドニー
ラグビーW杯に熱狂した親日的な街
(時事通信「世界週報」2004年1月20日号より転載)


平成16年1月
在シドニー総領事
野川 保晶



 シドニーは世界3大美港の一つとされる美しい港町です。また、シドニーはオーストラリアの経済、文化の中心地で、オーストラリアの人口の5分の1に当たる400万人以上の人が住む大都会でもあります。多くの日本人の方々がシドニーに住み、また多数の日本人旅行者がシドニーを訪問されるのももっともなことと言えましょう。最近の統計では、シドニーに住む日本人の数(在留届を出されている方)は2万6人で、ニューヨーク、ロサンゼルス、香港、ロンドン、シンガポールに次いで、第6位となっています。またオーストラリアを訪れる日本人旅行者は、年間約66万人で、この数字は隣国のニュージーランドからの旅行者に次いで第2位となっています。

若者の行動力に一喜一憂

 このような事情を反映して、当総領事館の仕事は、一にも二にも、シドニーに住んでおられる日本人の方や旅行者が快適に生活や旅行ができるよう支援すること、また日本のビジネスマンが安心して仕事に打ち込めるようお手伝いすることです。
 その点で特筆すべきは、「ワーキングホリデー制度」(いわゆる「ワーホリ」)の存在です。この制度は、日本とオーストラリアの2国間協定により設立されたものですが、この制度を利用して18~30歳の日本人は、オーストラリアに1年間滞在し働きながら学ぶことができます。オーストラリアが親日的かつ治安のよい国であることも反映して、この制度を利用する日本の若者は年々増加しており、最近では毎年約1万人の若者がそれぞれの目標と夢を持ってオーストラリアを訪れ、約半数の方がシドニーで生活しています。日本とオーストラリアの相互理解の増進という点でも効果的な制度で、また、「ワーホリ」OBの中には、ファッションや料理などの分野で活躍し、当地で大変な著名人になっている方もおられます。
 しかしながら、若さゆえの行動力から、不幸な事件や事故に巻き込まれる例も多く、当館は、しばしば休日返上で若者の助っ人として頑張っています。例えば、「ワーホリ」の若者が不法就労の疑いを掛けられたり、日本人同士がルームシェアをめぐりトラブルを起こしたり、日本との連絡を絶ち両親から所在不明として相談があったりと、当館館員が市内を駆け回るような例は枚挙にいとまがありませんが、当館としてはこれからも当地の日本人の方にとって頼りがいのある開かれた総領事館を目指して努力したいと思っています。
 最近外務省では、外務省改革の一環として、総領事館の領事事務を支援するために、現地事情に通じ、ボランティア精神と実務経験に富んだシニア世代を在外公館に派遣する「領事シニアボランティア制度」を導入しましたが、その第一陣として当館にもボランティアが配置になりました。豊富な民間企業での勤務経験と海外生活経験を生かして、当地の日本人の方や旅行者からの相談に応じたり、要望をとりまとめて当館の領事サービスを一層向上させる役割が期待されています。

日本チームの健闘に称賛の声

 2003年の10月から11月にはラグビーのワールドカップ(W杯)がシドニーをはじめオーストラリア各地で開催されました。オーストラリア全土が熱狂した2カ月間でした。日本チームも参加し、残念ながら1勝も挙げられませんでしたが、強豪を相手にした健闘ぶりは大変な好評を博しました。「日本チームは勝負には負けたが、外交的には大変な成功を収めた」と、よく他の国の総領事から言われています。
 私もシドニーの近くのゴスフォード市で行われた日本対米国戦を、当地日本人会の方々と応援に行きましたが、特に印象に残ったのは、オーストラリア人の日本チームに対する応援ぶりでした。日本の国旗を顔にペインティングしている人はもとより、侍や相撲の扮装(ふんそう)をしている人もいて、応援合戦では明らかに日本が優勢でしたが、試合は残念な結果に終わりました。
 ところで、試合の行われたゴスフォード市は東京の江戸川区と姉妹都市になっています。日豪間では姉妹都市交流が大変盛んで、シドニー市は名古屋市と姉妹都市ですし、シドニーのあるニューサウスウェールズ州内で41、オーストラリア全体では105の姉妹都市があります。昨年は、ニューサウスウェールズ州のリズモア市と奈良県の大和高田市が、1963年に日豪間で初めて姉妹都市交流を始めてから40周年に当たり、各地で記念行事が行われ地方自治体間の交流が活発に繰り広げられました。
 日本とシドニー(およびニューサウスウェールズ州)の経済関係の活発化や、文化、学術、スポーツといった様々な分野の様々なレベルでの交流の活発化をお手伝いするのも当館の重要な仕事です。日豪両国間で06年に日豪間の交流を強化することに合意されており、多彩な行事が行われる予定ですが、これも視野に入れて、交流の活発化に努力したいと思っています。

ワンポイント・アドバイス

 オーストラリアの税関の検査は非常に厳格で、特に食料品の持ち込みが厳しく制限されています。卵や肉類は持ち込み禁止です。せっかく友人へのお土産にと食料品やお菓子を持ってきても、没収されたり、また、申告していないと罰金が科される場合がありますので注意してください。


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