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総領事館ほっとライン 第1回 フランクフルト
「母国を感じさせ頼りがいある存在に」
(時事通信「世界週報」2003年6月17日号より転載)


平成15年6月
在フランクフルト総領事 岡田眞樹


日本の若者文化がブーム

 ドイツでは、今、マンガ・アニメや寿司のブームをはじめ、日本の現代文化・若者文化が大変人気を博しています。ドイツの若者は、ドラゴンボールや回転寿司を生んだ日本はクールだ、と言います。日独関係の将来を担う若者の、日本に対する関心を高めるチャンスが生まれているのです。そこで、私たち(在フランクフルト総領事館)は、日本ファンのドイツ人を巻き込み、日本人学生や研究者たち、駐在員家族やドイツに永住している日本人たちとも一緒に、ドイツの若者を主たるターゲットとした文化活動を展開しています。ハイテクやエンターテインメント分野に強い日本の企業も文化行事に協賛してくれています。このような文化活動は、その実施に参加した方たちとの結び付きを強化するという面があることも見過ごせません。
 よく「総領事館って、どういう仕事をしているんですか?」という質問を受けます。
 私は、総領事館が、外国に住んでいる日本人に日本という母国を感じさせる存在、何かしら頼りがいのある存在、というものになれればと思います。総領事館の仕事の本質はそこにある、と考えます。
 他の例を挙げましょう。ここフランクフルトでは最近、ドイツ人と結婚し、ドイツに長く住み、活躍されている女性たちが集まり、老後にお互いを支えていくためのネットワークを作っていこうという動きがあります。たとえ若い頃は元気にドイツ語や英語を駆使して活躍していても、やはり高齢になり、体が不自由になったりすると、母国語の話し相手や、日本の味が懐かしくなるのは当然のことです。このような動きに手を貸し、人の輪を築き、育てていくお手伝いをする、これも総領事館の大切な仕事だと考えています。
 総領事館といって普通思い付くのは、旅券の延長申請、出生や結婚などの届けを行う窓口業務でしょう。しかし、総領事館は、窓口の後ろでも皆さんのために汗を流しています。治安・安全、教育、医療といった面で、日本人の生活上の問題を少しでも取り除き、それをできるだけ助けることが、総領事館の仕事の中心になります。海外旅行をしたり、住んだりすると、日本と異なる環境での様々の不都合や心配事が出て来ますが、そういった問題をできるだけ少なくすることが、総領事館の責務なのです。

9・11以後Eメールでテロ関連情報発信

 私たちが今一番心を砕いているのは、日本人の安全です。ドイツは、基本的には安全な国ですが、一昨年9月の米同時多発テロ以来、ヨーロッパの金融の中心であり、大型ハブ空港を有し、ドイツで唯一高層ビルのそびえるフランクフルトがテロリストの攻撃の対象になるかもしれないという懸念も生じました。同時多発テロの直後からは、Eメールにより事務所あるいは家庭のパソコンに直接情報をお伝えすることにしており、ホームページ(http://www.japangk-fra.de/)も充実させ、関係の情報を迅速に日本人の方々に届けるよう努力しています。
 このような仕事をする際に私たちが最も苦労しているのは、総領事館のお客様である日本人のニーズをどうやって正確に把握するかということです。総領事館の対応が悪いといって電話や手紙でご叱責を頂くのは、私たちにとって大変ありがたいことです。むしろ普通の日本の方は、遠慮深いというか、相手に面と向かって要望を言いませんし、ましてや窓口の後ろにいて普段付き合いのない人に向かっては、よほどのことがない限り口をつぐんでしまうでしょう。そこで、私は、こちらから管内の日系企業を頻繁に訪問し、ビジネスの勉強をさせていただくとともに、私たちに対する要望などを直接お聞きするよう努めています。
 訪問した時に目からウロコが落ちるような新しい知識を得ることも再三で、普遍性のある問題であれば政府の対外経済政策などに反映させるように努力しています。労働許可の遅延などの個別の問題があれば、ドイツ側関係当局に働き掛けを行っています。また、ドイツの新しい税制上の問題について情報を提供したり、通関上の問題や在外選挙登録についての説明とか、日本人コミュニティー向けの生活上のサービスについての情報提供などもしています。
 こういった会社の方々との話し合いで出て来たアイデアから、ヘッセン州の大蔵大臣、内務大臣あるいはフランクフルト市長などを総領事公邸に招待し、日本人ビジネスマンに対して講演をしてもらうプログラムも始めました。また、日本の企業の方々との緊密な連携体制が功を奏し、昨年夏のドイツ南東部の洪水の時には、フランクフルト法人会の下に14万ユーロ(約1800万円)に上る義援金を集めることができ、ドイツでも広く報道されました。
 現在世界中に存在する日本の大使館は116、総領事館は66、代表部は7(今年4月現在)。このすべてが何かしら頼りがいのある存在を目指しています。次回以降、私の同僚の総領事たちが、世界各地でのホットな話題とともにその奮闘ぶりをご紹介します。

ワンポイント・アドバイス

フランクフルトでは、偽装警察官による窃盗が頻発しています。旅券の確認とか偽札の捜査を口実に、パスポートや財布の中の現金を盗むというものです。警察官は、現金を調べたりしません!旅券と現金は別々に携行しましょう!



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