2000年12月7日付邦字紙記事
(北京日中友好森林公園の樹木立ち枯れ)
に対する反論
2000年12月25日
(日中友好のシンボルとして日本側が官民で植樹して北京廬溝橋にある日中友好森林公園は、継続的には誰も管理しない状況が続いているため、植樹木の立ち枯れが全体の4割にも及んでおり、中国での植樹のための「小渕基金」(百億円)を中国政府に提供しているものの活かされておらず、今後の日本の中国緑化事業に大きな影響を及ぼすこととなろうとする記事に対して)
北京日中友好森林公園にこれまで植樹された約1万1千本の8割は元気に根付いています。なお、樹木の生育環境の優れた日本においても条件によっては活着率が8割を下回ることもあります。
また、公園造成の事業主体である北京日本人会と北京市は、随時現地視察を行い、公園のより適切かつ効果的な管理運営について緊密に連絡を取り合い、常に対策を検討しています。12月7日付邦字紙の報道は、明らかな事実誤認に基づいた報道であり、事実関係は以下のとおりです。
1.日中友好森林公園
日中友好森林公園は、北京日本人会と北京市が事業主体となって、北京市南郊の廬溝橋地区に98年4月から造成を始めたもので、これまでに松、エンジュ、桜など約1万1千本が植樹されています。このうち、現在、全体の約8割は活着しており、記事にある「枯れてしまう木が全体の4割ほどともなっている」という指摘は事実に反しています。前述の通り、植林の生育環境の優れた日本においても条件によっては活着率が8割を下回ることもあります。
2000年は厳しい干ばつの影響もあり、乾燥していてアルカリ土壌である北京での植樹が本来困難な桜など、一部生育状況の良好でないところがあることは事実です。しかし、日本側と中国側は、2000年10~11月にも数度にわたって現地を視察し、公園中心部への灌水強化策等具体的な対策について検討を重ねており、「継続的には誰も管理しない状況が続いている」との指摘は当たりません。
「小渕基金」は、1999年11月に日中間で交換公文を取り交わすことによって設置された国際機関である「日中民間緑化協力委員会」が、日本政府から100億円の拠出金を受け、中国で植林緑化協力事業を展開する日本の民間団体(地方自治体等を含む)を支援するための助成制度です。ですから、記事が指摘するような「北京日本人会が主体となって……日中民間緑化協力委員会をつくり」ということはありませんし、ましてやその100億円を単に中国政府にそのまま提供したかの如き記述は正確な事実認識とは言えません。
「小渕基金」は2000年9月、第1回助成事業の一環として、日中友好森林公園での森林造成に対し580万円の助成を行いましたが、これを用いた植樹は2001年4月以降に行われる予定になっているため、現在、日中友好森林公園には、「小渕基金」によって植樹された樹木はまだ1本もありません。「『小渕基金』から約6百万円も得て、年間数百本ずつ植樹を増やしてきた」、或いは「政府資金100億円投入活かされず」との記事の指摘は正しくありません。
「小渕基金」事務局では、日中双方の助成事業主体団体に対し、助成事業決定にあたりその事業の実効性等を厳正に審査し、事業開始後のケアについても随時報告を求めるなど、助成事業をモニターし、事業の適時適切な運営の確保に努めています。日中友好森林公園も、「小渕基金」の趣旨を十分に踏まえ、より効果の大きな樹林造成を目指し、日中双方の関係者が協力し合い計画を進めているところです。(写真はいずれも2000年11月15日現在のもの)