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国連の場における演説 東ティモール情勢に係る安保理公開会合原口大使演説(仮訳) 議長、 まず、5月9日にチェチェン共和国において発生した爆発事件によってカディロフ大統領を含め被害者が出たことについて、ロシア連邦に対し深甚なる弔意を表明したいと思います。また、カマレシュ・シャルマ事務総長特別代表に対し、包括的な説明をいただきありがとうございました。 議長、 東ティモールは、まもなく独立後二周年を迎えます。この数年を振り返ってみれば、東ティモールの政府、国民が一丸となった努力とこれに対する国際社会、国連とインドネシアを含む関係諸国の支援によって、混乱の中から同国が新しい独立国家としてその基礎を一歩一歩固めつつあることを感慨深く思います。とりわけ国連の果たした役割は大きく、故デメロ前事務総長特別代表及びシャルマ事務総長特別代表の御尽力に対し、あらためて心からの敬意を表する次第であります。 議長、 日本は、アジア・太平洋地域の一員として、東ティモールの安定・発展の確保を重視し、その実現に積極的に取り組んで来ました。従って、東ティモールが長い道のりを経て今日の姿にまで至ったことを心より嬉しく思うと同時に、東ティモールの平和と発展に向けた歩みを更に確固としたものとするために、国際社会として引き続き支援していく必要があると考えます。より具体的には、今東ティモールに定着し始めている平和、法の支配、人権の尊重、開発と発展の試みなどを東ティモールにしっかりと根付かせることが極めて重要であり、このために国連が果たすべき役割はまだ残っていると考えます。この観点から、我が国は、真に必要とされる任務をあらためて明確にした上でUNMISETを一年間だけ延長するという事務総長報告に示された提案を歓迎いたします。先の安保理会合においては関係国より事務総長報告に対し種々の意見が表明されましたが、その後、我が国を含む関係国は緊密な協議を行い、コンセンサス作りに努力してきました。今回の提案に対しては、国際社会が一致して支持できるものであると確信しております。 議長、 思えば、国連が暫定統治を行って以来、国連の東ティモールにおける取り組みは輝かしい成功を収めてきました。しかし、東ティモールが真の意味でPKOのサクセスストーリーとなるためには、この最後の一年間にUNMISETが目的を達成し、任務を終了することが必要です。この一年の間に、国際社会の東ティモールへの支援を、紛争処理としてのPKOの活動から、開発・発展を支援する国際機関やバイの援助活動に移行させることが必要と考えます。同時に、東ティモールの側も、これがPKOとしての最後の一年間であることを踏まえ、自立へ向かった歩みを加速させることが重要と考えます。本年末に予定されているマンデートの達成状況に応じたUNMISETの規模の見直しについても、かかる観点から適切に実施されることが必要だと考えます。 議長、 我が国は、東ティモールの自立的な国造りへの支援の提供においても主要な役割を果たしてきております。平和構築及び復興支援に焦点をあて、独立後三年間で六千万ドルを上限とする支援表明を着実に履行してきています。また、現地に派遣されている自衛隊施設部隊が、UNMISETの活動のために建設、補修を行った道路、橋が、東ティモールの人々にも裨益していることを嬉しく思います。同時に、自衛隊撤収に伴い、一部の施設・資機材を現地の要請に基づき引き渡すこととし、東ティモール政府職員に資機材の操作・維持・管理指導教育を施すなど、技術移転にも努めています。このような支援は、東ティモール政府及び人々のニーズにまさしく適合するものであると考えております。 議長、 このように、我が国は、自衛隊の施設部隊の活動、ODA等を通じて東ティモールの開発・発展に努めてきたところでありますが、東ティモールには、その国造りのために更に支援を必要とする多くの分野が残存していることは言を待たないところです。それ故、今後とも、国際社会が、東ティモールにおいて未だ支援の必要な分野に対し国連及び二国間での協力を相互に連携しつつ支援を継続していくことが重要であると考えています。 議長、 最後に、東ティモールにとって、この一年は非常に重要な時期であることをあらためて強調したいと思います。UNMISETの精鋭と賢明な指導層の下で国造りに参加する東ティモール国民の努力により、東ティモールにおける安定と発展の基礎が確実に強化され、国連PKOがその使命を成功裏に果たすことを確信しております。 |
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国際連合日本政府代表部 |
国連の場における演説 / 平成16年 / 目次 |
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